
雨好きでもない限り、雨天時に自ら進んでロードバイクへ乗る人は稀だと思います。
けれど、通勤通学やツーリングの事情などであえて乗り続ける人もいるでしょう。特に長距離を走るのであれば、しっかりと準備を整えておきたい。
また、晴れていても急に雨が降る場面は普通にあるので、普段から雨対策について考えておこう。
雨天時にロードバイクで走るのは、視界不良や滑りやすいなど様々な危険が潜んでいる。なので、泥はねや滑りやすい路面への対策が必要ですし、雨の日に適したウェアを選びたいですね。
本記事では、雨天時にロードバイクへ乗るデメリットと、快適に走るための雨対策を紹介します。
雨天時にロードバイクで走るのは危険がいっぱい

ロードバイクを始めとする自転車は、晴れの日に比べて雨天時の事故発生率が約5倍も悪くなるというデータがあります。
この事実から単純に、雨天時のライドは危ないと判断しても間違いではないだろう。では一体どのような危険が潜んでいるのか気になりますね。
冒頭でも触れた通り、視界の悪化や路面が滑りやすくなったり、ブレーキが効きずらくなるといったリスクが急上昇します。
激しく雨が降っていると、それだけで前方の確認が難しい。これは、車のドライバーからしても同じこと。自転車の発見が遅れる可能性があるので追突されかねません。
それに夜間では激しい雨が降ると、ライトの光が弱くなるほど前方確認は絶望的になり得ます。
また、タイヤのグリップ力が弱まるので、転倒のリスクもある。特にマンホールや白線、排水溝の金網などの上を通過する際は、とても滑りやすくなるので注意して下さいね。

ロードバイクは、現在ディスクブレーキが主流ですが、晴天時と比べるとやはりブレーキは効きづらいです。それでもリムブレーキと比べれば安心感があるので、日頃から雨の日を走るのであれば、ディスクブレーキは必須といえます。
ブレーキをかける際は、早めに減速を行ない急ブレーキは避けること。いつもよりも慎重にブレーキをかけるよう心掛けましょう。
リムブレーキならば速度にもよりますが、制動距離はだいたい2倍ほど延びてしまう。なので、晴天と同じ感覚で運転していると、思わぬ事故につながります。
雨天時にロードバイクへ乗るデメリット
雨天時のライドは何かと危険が多いので、それ自体がデメリットといえますね。この辺りは、人によって賛否両論があると思いますので、明確にデメリットといえるものを、以下にまとめました。
- 車体のダメージが大きい
- 体調不良になりやすい
それぞれについて説明します。
車体のダメージが大きい

ロードバイクはもともとロードレースなど競技用の自転車として発展してきました。競技によっては、雨の日でも普通に開催されます。
そのため、雨の中を走ってもロードバイクはまず壊れません。しかし、ノーダメという訳ではなく、車体には様々なダメージが残ります。
そこで、気になるのが主なダメージを、以下にまとめました。
- 泥はねや雨粒などで車体が汚れる
- ブレーキシューが削れやすくなる
- 駆動部分(チェーン・スプロケット・クランクなど)が削られる
- パーツにサビが出る
- チェーンのオイルが切れる

ブレーキシューのゴム部分が摩耗しやすくなるので、金属部分が露出するかも。そのような状態でリムに接触すると、リムが削られます。場合によっては、リムが割れてしまうことも。そうなると、危なすぎますよ。
特に駆動部分内に砂や泥汚れが入ってしまうと、ガリガリと駆動部分を削りかねません。
また、ボルトやベアリンなど鉄を使っているパーツであれば、錆びやすくなるのも問題だ。ベアリングが錆びると。回転不良や異音の発生だけでなく、錆が飛散して周辺の部品に影響を及ぼす可能性があります。
体調不良になりやすい

雨の日のライドは、車体だけでなく健康にも影響を与えます。
雨の中を走っていると、身体が震えて寒気を覚えた経験があるだろう。その他にも、熱が出たり、呼吸が浅くなったり、酷い時には意識が朦朧(もうろう)とすることも。
それほど、雨は人体に与える影響が大きいです。雨に濡れた状態が続くと、体温が奪われやすくなるので低体温症のリスクが高まります。
さらにロードバイクはスピードが出るため、より風にさらされる機会が多い。そうなると、より一層体温が低下しやすくなる。そうなってからでは遅いので、雨が降り始めたら急いでレインウェアを着用しよう。(雨が降る前に着用するのが理想かな。)
それに、濡れた服は着続けないこと。というのは、乾いた状態よりも体温を奪いやすいですよ。
体温が低下すると、普段よりもエネルギーの消費量が増えてしまい、結果的にエネルギー不足に陥ることも。健康に対して良いことが全くないので、準備不足のまま長時間のライドは避けるのが賢明です。
雨天時に快適に走る対策方法
ロードバイクで雨天時に快適なライドをしたいのであれば、レインウェアやフェンダー(泥除け)は必須です。
その他にも色々と準備しておきたいものがありますので、主な対策方法を以下にまとめました。
- レインウェアやシューズカバーを活用する
- フェンダー(泥除け)を装着する
- チェーンへ注油する
それぞれについて説明します。
レインウェアやシューズカバーを活用する

雨天時のライドは、基本的にレインウェアを着るのが最適です。
レインウェアは、外からの雨をしっかりとはねるので体を雨水から守ってくれる。さらに、体から発する発汗や蒸気は逃してくれる優れもの。なので、できるだけ性能にこだわりたいですね。
たとえば、超高性能のゴアテックス製のレインウェアであれば文句はないかな。小雨程度で短時間しか走らないのであれば、100円程度の雨カッパでも十分かも。どのようなレインウェアを選ぶにせよ、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 雨に対してにじみにくい
- 通気性のよい素材である
- 視界が十分確保できる
- 裾や袖が巻き込まれない
- ウェアは目立つ色で反射材あり
- コンパクトに収納できる

また、レインウェアと共に使いたいのがシューズカバーです。
シューズカバーを使わないでペダリングをしていると、いつの間にかシューズの内側に雨水が入ってきて不快な思いになりますね。
実は、それだけでなく、冷えによる体温低下が怖いですよ。なので、シューズの内側に雨水が入るのを防いでくれるシューズカバーは重宝します。
雨量にもよりますが、短時間であればシューズカバーがなくても別に気にしないことが多いかな。しかし、ライド時間が長くなるにつれ、あるとないとでは大違い。雨天時のロングライドを楽しむのであれば、積極的に活用しよう。
足首までカバーするデザインのものであれば、より水の侵入を防いでくれます。
フェンダー(泥除け)を装着する

雨の日にロードバイクで走ると、タイヤが路上の水や泥を巻き上げてしまい、服や車体にかかった経験をした人は多いと思います。特にお尻が濡れてしまうと、より不快さが増して嫌ですね。
酷い時には、頭上まで飛び跳ねてしまうので、自分だけでなく周りにも被害が拡大してしまうこともある。そうなると、もはや自分だけの問題には収まりません。
なので、巻き上げられた水や泥を防いでくれるフェンダー(泥除け)があると重宝します。
ロードバイクの購入時には、基本的にフェンダーは付いていないので、必要に応じてワンタッチで脱着できるものがあると便利。雨天以外は外しておけるので、使い勝手がいいですよ。
ちなみに私は連泊の自転車旅が多いので、旅先での急な雨に対応するために、リア側のみですが普段からフェンダーを装備しています。
チェーンへ注油する

注油に使うチェーンオイルですが、潤滑させる目的以外にも水を弾く効果があるため、雨天時に重宝します。
なので、雨天時のライドでは、あらかじめチェーンに注油しよう。
そもそもチェーンオイルは耐熱温度が高いので、チェーンに水がかかった状態で走行しても、水が蒸発する温度以上にオイルは耐えてくれる。
つまり、それだけダメージを減らせるということ。チェーンは消耗品なので、長く使い続けるためにも余計なダメージは、なるべく与えたくないですね。
それに、もしチェーンオイルの効果が切れていたら大変なことになる。チェーンは、雨水が付着した状態で放置していると、あっという間に錆が拡大するぞ。見た目からして黒ずんでいるので、あまり良い気分がしません。
雨天時にロードバイクの細いタイヤは大丈夫?

ロードバイクの細いタイヤは、雨天時に滑らないのか疑問に思う人は多いと思います。
結論から言えば、普通に走れるので問題ありません。そもそもロードバイクのタイヤは、接地面積が小さく、路面とタイヤの間に滑るほど水が入り込まないですね。
それにロードバイクのタイヤには、レインタイヤがないでしょ。つまり、それだけ性能に自信がある表われです。
どうしても気になるのであれば、グリップ力を向上させよう。具体的には、通常の空気圧よりも10%ほど低めに設定すればよい。それだけでもいつもより、タイヤが路面にしっかりと食い込んでいるような気がするかな。
だからといって、空気圧を下げすぎないように。パンクリスクが高まり、かえって危険です。また、トレッドパターンがしっかりしたタイヤも効果的。水を効率よく排出し、路面との摩擦を高めてくれます。
まとめ

本記事では、雨天時にロードバイクへ乗るデメリットと、快適に走るための雨対策を紹介しました。
最期にもう一度、紹介した内容を以下にまとめます。
- 雨天時にロードバイクへ乗るデメリット
- 車体のダメージが大きい
- 体調不良になりやすい
- 雨天時に快適に走る対策方法
- レインウェアやシューズカバーを活用する
- フェンダー(泥除け)を装着する
- チェーンへ注油する
雨天時にあえてロードバイクで走る理由は人それぞれですが、自分自身の健康やロードバイクを守るためにも、しっかりと準備をしましょう。
特に自転車旅やロングライド、ブルベなどを楽しむのであれば、何かしらの雨対策はしておくと損はありません。それに、雨の日のライドが快適になれば、トラブルを回避する可能性が高まります。