ロードバイクの走行中に、ギアを切り替えた時、チェーンが外れた経験がありませんか。
ロードバイクのトラブルの中でも、パンクと並んで多いのが、このチェーンが外れる現象ですね。残念ですが、どんなに変速機の調整をしっかり行ったとしても、外れる時は外れます。
しかし、チェーンが外れる原因を良く理解して、自転車の運転に生かせば、外れる機会なんて滅多に起こらなくなる。
それに、チェーンが外れたとしても、直し方を知っていれば落ち着いて対処できますね。
本記事では、ロードバイクなどスポーツ系自転車で、チェーンが外れる原因と直し方を説明します。
チェーンが外れる原因とは
ロードバイクなどのスポーツ系自転車で、チェーンが外れて困った経験をした人は多いでしょう。
事前に直し方を知っていないと、いざチェーンが外れた場面に遭遇して、悩んでしまうのは仕方がありません。
チェーンは、フロンロギアのチェーンリングとリアギア(スプロケット)に引っかかっているため、外れるなら、どちらか一方から外れることが多い。そのため、チェーンの直し方は、外れ方により異なります。
チェーンが外れた場合は、ペダルを漕いでも空回りしてしまうか、チェーンが噛み込んで他の部品と絡み、ペダル自体を漕ぐことができなくなったりしますので、早急に停車しよう。
もし、そんな状態でペダルを漕ぎ続けていると、外れ方次第では、チェーンとフレームが干渉したりして、フレームに傷が付いたり、ホイールにダメージを負う可能性もある。
チェーンが外れる理由は色々考えられますが、主な原因を以下にまとめました。
- チェーンが伸びている
- 悪路走行や強い衝撃を受ける
- 変速機の整備不良
- STIレバーの操作ミス
これらの原因について良く知っていれば、自転車の定期的なメンテナンスや無理な運転をしないことで、チェーンが外れる可能性を低くすることができますね。
それぞれの原因について説明します。
チェーンが伸びている
自転車をずっと使い続けていると、チェーンは伸びていきますが、ゴムのように分かりやすくビヨーンと伸びていないので、見た目ではわかりません。
チェーンの伸びとは、結合部分が削れて隙間が大きくなり、緩くなっている状態です。一般的に自転車の走行距離が3,000~5,000kmになれば寿命と言われています。
チェーンが伸びている状態を放置して、自転車に乗り続けていると、変速がスムーズにできなかったり、チェーンが落下したり様々なトラブルを巻き起こしますので、寿命が来る前に交換しよう。
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
悪路走行や強い衝撃を受ける
ゴツゴツした石が敷き詰められている悪路などを走行していると、チェーンが激しく暴れて、正常にリアギア(スプロケット)の歯とチェーンが噛み合わなくなり、チェーンが外れることがあります。
そのため、ロードバイクでは、出来るだけ悪路は走らないように。酷い悪路を走ると、チェーンの落下だけでなく、パンクに合うリスクも高まるので、あまり良いことがありません。
どうしても悪路の先へ進まなければならない時は、ロードバイクから降りて押して歩いたり、ロードバイクを担いで歩いたりして、無理に走らないことで対処できます。
また、落車などで強い衝撃を受けたりすると、チェーンが落下することが多いです。
落車後は、慌てずに自分の状態や周辺の状況を良く確かめて、安全を確保した上で自転車の状態を確認しましょう。
いくら自分が注意して走っていたとしても、スリップなどの不可抗力で落車してしまうケースがありますので、落車した時に何をすべきなのか予め考えておけば、いざという時に役立ちます。
【パンクに関する話】
自転車の走行中のトラブルは、パンクが最も多いですね。そこで、耐パンク性能の優れたタイヤを履いてみてはいかがですか。下記記事では、パンクに関する話を紹介します。
変速機の整備不良
ロードバイクは、フロントディレイラーとリアディレイラーを操作して変速しますが、これらのディレイラーの調整不足により、チェーンが外れたりしますので注意が必要です。
主にディレイラーの取付不備や調整ボルトの調整不足、ケーブルの張り具合など様々な原因が起因して、その結果チェーンの落下が何度も起こります。
そのような場合は、自転車ショップへ持ち込み、きちんと整備してもらおう。
また、転倒などで強い衝撃を受ければ、ディレイラーの取り付け位置がズレたり、リアディレイラーを取り付けているディレイラーハンガーが曲がる可能性もある。
さらに、チェーンリングが曲がる時もあるので気を付けたいですね。このような様々なトラブルが原因でチェーンが何度も外れてしまいます。
その他にもホイールが奥までハマっていない時に、チェーンが外れてしまうことがある。
何度もチェーンが外れるのは、必ず原因がありますので放置せず、自転車ショップの店員へ相談するのをおすすめします。
【自転車の運転技術】
スピードが出ているダウンヒルで落車してしまうと、チェーンが外れたり、ディレイラーが損傷する可能性が高まりますね。下記記事では、自転車の運転技術に関する話を紹介します。
STIレバーの操作ミス
ロードバイクの変速は、STIレバーを操作して行ないますが、奨励されていないギアの組み合わせをご存じですか。
その組み合わせは、自転車ショップで初めてロードバイクを買った時に教えてもらったりします。具体的な組み合わせとは、チェーンのたすき掛け(クロスチェイニング)を表すアウターローとインナートップと呼ばれるものですね。
STIレバーの操作を誤って、アウターローの状態からフロントをインナーに落とすと、チェーンが内側へ行こうとする力が大きくなり、チェーンが外れたりします。(必ずチェーンが外れるとは限りません。)
クロスチェイニングについては、自転車のコンポーネントを販売しているメーカーにより賛否両論がありますが、最大手であるシマノは非奨励としていますので、シマノのコンポーネントを使っているならば、クロスチェイニングは止めておいた方が無難です。
尚、アウターローとインナートップが非奨励な理由については、下記関連記事でくわしく紹介します。
フロントギア側から外れたチェーンの直し方
ロードバイクなど外装式変速機を使っている場合は、チェーンを掛け直すのは簡単にできますので、いざと言う時のためにも作業手順を覚えておこう。
尚、フロントギア側からチェーンが外れた場合は、内側から外れた場合と外側から外れた場合で若干対応方法が異なりますが概ね同じ手順です。そこで、その手順を以下にまとめました。
まず始めにチェーンの状態を確認して、チェーンが噛み込んで他の部品に絡んでいれば解消して下さい。
次にフロントディレイラーを操作して、ギアを切り替えます。内側へチェーンが落ちた場合は一番小さなギアに変更し、外側へチェーンが落ちた場合は一番大きなギアにしましょう。
ギアの変更が終えた後は、リアギアの下の方にあるテンションプーリーを前方向へ軽く指で押して下さい。
すると、プーリー自体が前へ動きチェーンが緩みますので、チェーンをフロントギアのチェーンリングへ掛け直しましょう。
この時、チェーンが内側へ落ちた場合は、小さなチェーンリングへ掛け直して下さい。反対に外側へチェーンが落ちた場合は、大きなチェーンリングへ掛け直します。
尚、ギアの下側から、チェーンの穴とギアの歯をはめ込むと上手に掛け直せますね。
チェーンの掛け直しができた後は、クランクをゆっくりと時計回りの方向へ回して全てのギアにチェーンが載れば作業は終了です。
作業自体はとても簡単なので、慣れてくれば5分以内に対応できます。
チェーンを直接指で触ると、チェーンに付着した油で手が汚れ、なかなか拭き取れません。気になる人は軍手で作業しましょう。
【自転車に役立つアイテムの紹介】
自転車に役立つアイテムは、たくさんありますね。下記記事では、そんなアイテムを紹介します。
フロントギアの外側へチェーンが落ちた場合は、簡単に直せる
チェーンがフロント側の外側へ落ちていた場合に限ってですが、とても簡単に直す方法があります。
その方法とは、ペダルをゆっくり漕ぎながらフロントディレイラーをインナー側へ慎重に操作すると、元に戻る場合が多いです。(絶対ではありません。)ぜひ試してみて下さい。
リアギア側から外れたチェーンの直し方
リアギア側のチェーンが外れてしまうのは稀ですが、絶対ない訳ではありません。リア側はチェーンが外側か内側に落ちるかにより、対応の厄介度が変わりますね。
注意しなければならないのは、リア側にチェーンが落ちた状態で、ペダルを漕ぎ続けているとホイールが壊れる可能性もあるため、チェーンが落ちたと思ったら即停止する習慣を身に付けておこう。
外側へチェーンが外れた場合は、一番大きなギアとスポークの間にチェーンが落ちていますので、チェーンの噛み込みがなければ、クランクをゆっくりと逆回転させながら、リアディレイラーをトップ側へ操作すれば直ることが多いです。
内側へチェーンが外れた場合は、一番小さなギアとフレームのエンド側にチェーンが噛み込んでしまい直すのが大変です。
チェーンが噛み込んで他の部品と絡んでいるならば、それらを解消した後で、チェーン自体を直接引っ張ってリアギアに掛け直すしましょう。リアギアにチェーンを掛け直した後は、ゆっくりクランクを回せば元に戻ります。
尚、どうしても直らない場合は、ホイールを一度外して再度付け直すと対処しやすいですね。
まとめ
本記事では、ロードバイクなどスポーツ系自転車で、チェーンが外れる原因と直し方を説明しました。
最期にもう一度、チェーンが外れる原因を以下にまとめます。
- チェーンが伸びている
- 悪路走行や強い衝撃を受ける
- 変速機の整備不良
- STIレバーの操作ミス
たとえ自転車の走行中にチェーンが外れたとしても、慌てずに自転車を停車して対処すれば簡単に直せます。
正しい知識と対処の仕方を覚えて、突然起きてしまうチェーンの落下に備えましょう。