自転車の盗難が一番起こる場所は「住宅」です。
2021年に警視庁が調査した結果では、東京都で自転車が盗難された場所の約50%が住宅であり、特にマンションやアパートなどの共同住宅の被害が多いことが分かっています。
もし、あなたがマンションやアパートに住んでいて、自転車が盗まれた場合、以下のような疑問を思い浮かぶ方は多いでしょう。
【疑問①】管理会社へ責任を問えるのだろうか
【疑問②】防犯カメラを見せてもらえるのだろうか
【疑問③】保険の補償に入るのか
一体どうなんだろうか、とても心配だ。
また、盗難だけでなく、駐輪場の駐輪時に住民の自転車同士がぶつかって壊れるトラブルもありえますね。
本記事では、上記に挙げた疑問について解説しながら、マンションの駐輪場へ自転車を駐輪する危険性についてお伝えします。
【疑問①】自転車が盗まれた場合、管理会社へ責任を問えるのだろうか
もし、あなたが「マンションの駐輪場は、敷地内にあるのだから、自転車を盗難されたら管理会社へ責任を問えるのでは」と思っているのでしたら、一度マンションの管理規約を読み直してみて下さい。
もし管理規約に管理会社が責任を負うと記載されていたら、管理会社へ責任を問えます。
しかし、多くのマンションでは、管理会社が責任を問われるような契約を結んでいないのが現実です。
つまり管理会社には、盗難防止の義務はないのです。
このことから、自転車の盗難があった場合の多くは、所有者の自己責任になりますね。
「自己責任、納得いかない!」と思っているのでしたら、少し落ち着きましょう。
例えば、市町村が運営する駐輪場に自転車をとめていて、盗難にあった場合は、市が補償をしてくれないですね。
これは、当たり前であり、あくまで市町村は自転車を駐輪できる場所を提供しているだけであって、駐輪した自転車が盗難されようが関係ありません。
つまり、マンションの駐輪場にも同じことが言える訳です。
保険に加入していれば、内容によっては補償の対象になる可能性もあるため、一度確認してみると良いでしょう。
敷地内でも安心しない、犯人はマンションの敷地へ普通に入る
本来、マンションの駐輪場は敷地内にあるので、マンションの住民しか入れないことが多いです。
そのためか「勝手に敷地内には、入ってこないだろう」と思ってしまうもの。
日本に住んでいると、そのように考えてしまうのも、仕方がないのかも知れません。
しかし、残念ながら犯人は、全くお構いなしに敷地内へ入ってきます。
それは、犯人に取って駐輪されている自転車は、大事な金づるなのです。
マンションの駐輪場は、敷地内からと言って、決して安全な場所ではありません。
そのため、自分の自転車には、しっかり防犯対策を施しておきましょう。
犯人は下見をしていることが多い
聞いた話では、犯人は盗みを働くマンションを下見していることが多いと言います。
「駐輪場のどこに自転車をとめているのか」「鍵をかけているのか」「駐輪場に人がいない時間帯は」などと言った事を事前に調査し、綿密な計画を立てているのでしょう。
特にロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車がターゲットになりやすく、転売目的で盗まれます。
日中に堂々と盗みを働き、ひとけが無いところで自転車の鍵を壊し、盗んだ自転車に乗ってそのまま立ち去る。
絶対に許せないし、どんな理由があろうと許す必要はありません。
【自転車趣味に関する話】
ロードバイクは、趣味で乗っている人が多いですね。そんな大事な相棒を盗まれたら怒り心頭です。下記記事では、趣味でサイクリングを始めることについて紹介します。
【疑問②】自転車が盗難されると防犯カメラを見せてもらえるか
多くのマンションには、防犯カメラが設置されています。
もし、自転車が盗難されたら、防犯カメラを確認して犯人を特定したくなるでしょう。
しかし、通常は管理会社に話をしても、防犯カメラの記録を見せてもらえることはありません。
これは、住民のプライバシーに関わってくるからです。
そのため、いくら話をしても断られますので、早急に警察へ自転車が盗難された被害届を出しましょう。
警察では、犯人を特定するために防犯カメラの記録を解析しますので、その過程で見せてもらえる可能性がありますね。
尚、被害届を出す時に、自転車の防犯登録番号が必要ですので、もし登録されていないのならば、早急に登録することをお勧めします。
古いマンションでは、防犯カメラを設置していなくても何も不思議ではありません。
もし、防犯カメラを設置していなくて、自転車を盗まれた場合、管理会社へ責任を問えるのか気になるところ。
答えから言えば、防犯カメラなしでも管理会社に責任を問うのは困難です。
防犯カメラの設置は、管理会社に責任や義務がある訳ではなく、マンションの理事会で話し合い、予算を組んで購入・設置するもの。
なので、どうしても防犯カメラを設置したいのならば、マンションの理事長へ話してみては如何でしょうか。
【疑問③】自転車が盗難されたら保険がおりるのか
先ほども触れましたが、マンションの駐輪場で自転車が盗まれた場合は、ほとんど自己責任です。
これは駐輪場だけでなく、マンションの敷地内で盗まれても同じですね。
納得ができない気持ちは、良く分かるのですが、多くのマンションでは、管理規約に自転車の盗難があった場合は、自己責任と記載されていることが多いでしょう。
そこで気になるのが「盗難された自転車は、保険の補償に入るのか」と言うことです。
ほとんどのマンションでは、火災保険の加入が必須ですので、保険の内容によっては、自転車盗難の補償がおりる可能性があります。
マンションの敷地内で、鍵をかけてしっかり防犯対策をした自転車が盗まれると、補償の対象になることが多いそうです。
駐輪場は、マンションの共有部にあたりますので、マンションの理事会が保険の契約をしているはず。
理事会のメンバーへ確認してみると良いでしょう。
自分が住んでいるマンションの理事会メンバーが分からない場合は、管理会社へ聞いてみよう。
また、個人で自転車保険や自動車保険に加入している場合は、盗難補償について今一度確認してみると良いです。
盗難だけじゃない、マンションの駐輪場トラブル
マンションの駐輪場のトラブルは、盗難だけではありません。
マンションによっては、1台づつ自転車を入庫する仕組みがないところも多いため、狭い駐輪場に多くの自転車が駐輪されていたりします。
そうすると、自転車の出し入れの際、自転車同士がぶつかり合い転倒させてしまうことも十分ありえるのです。
転倒した自転車は、傷が付いたり、パーツが破損することもあり得るため、そうなれば立派な「器物破損罪」が問えることを知っておきましょう。
しかし、駐輪場に防犯カメラが設置されていても、顔がしっかり映っていなければ証拠不十分となり、相手が自ら名乗り出なければ、うやむやになりがちです。
こうした住民トラブルが起こりやすいのは、マンションやアパートのような共同住宅なので、共有の駐輪場へとめる場合は、納得はいかないけど割り切るしかない場面が多々あります。
【旅先の宿泊施設】
旅先では、ホテルや旅館などで宿泊する機会が多いですが、自宅と同じように室内で自転車を保管できるのが望ましいです。下記記事では、自転車旅で利用する宿泊施設についてお話します。
高価な自転車は室内保管が基本
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車は、高価な物が多いです。
もし、盗まれたら精神的ショックが大きく、怒りや悲しみが襲い、パニックになることも。
落ち着いて、警察へ被害届を出しましょう。
そうしないと、何も進展がありません。
盗難防止のため最も良いのは、自転車を室内保管することですね。
これは、盗難対策以外にも、紫外線や雨などから自転車を守り、自転車の寿命を延ばす効果もあります。
マンションでは、部屋のスペースが限られていますが、サイクルスタンドなどを上手に活用し、保管場所を確保しましょう。
独身ならば、自分自身で全てを調整できるので、それほど室内保管が難しくはありません。
しかし、家族持ちの場合は色々大変です。
まず始めに家族の了解を得るのが絶対条件であり、小さなお子さんがいる場合は、室内に自転車が置いてあると危ないので、保管する際、安全対策が必須になります。
自転車の駐輪を巡って、家族とトラブルにならないためにも、事前に話し合いを設けましょう。
【ロードバイクを引退?】
結婚後を機にロードバイクをやめてしまう人もいるでしょう。また、他の理由で引退しなければならなくなることも。下記記事では、ロードバイクの引退や結婚後もロードバイクへ乗り続けられるのかについてお話します。
まとめ
マンションの駐輪場で、自転車が盗難されたら、管理会社へ責任を問えるのかについては「契約次第」です。
しかし、多くのマンションでは、そんな契約を結んでいないため、所有者の自己責任になることがほとんどですね。
自転車が盗難されると、マンションと契約している保険によっては、補償がおりる可能性があるため、今一度、自分がお住まいのマンションの保険を確認して下さい。
犯人は、転売目的で自転車を盗難しているため、高価なスポーツ系自転車が狙われやすいです。
そのため、高価な自転車は、マンション共有の駐輪場へ駐輪せず、室内保管をするようにしましょう。