多くのサイクリストは、サイクリングへ出かける際、必ずと言っていいほど予備チューブを携帯しています。
例えパンクしても予備のチューブがあれば、即対応ができるのが強みですね。
チューブはゴム製品のため、紫外線や酸素によって劣化するのは仕方がありません。
そんなチューブを裸のまま携帯したり、保管していると劣化が早まる原因になりますよ。
そこで、なるべく紫外線や酸素に触れないよう保管することで、フレッシュな状態を保ちましょう。
本記事では、チューブがなるべく劣化しない状態を保つ正しい携帯・保管方法をお伝えします。
予備チューブはいつでも使えるよう携帯しよう
自転車で遠出してサイクリングを楽しむ際は、パンクに対応する準備は必要です。
その際、「予備チューブを携帯する必用あるの?」「パンクに対応するだけならば、パンク修理セットさえあればよいのでは?」と思っている方もいるでしょう。
そんな方へ声を大にして言いたい。絶対に予備チューブは携帯した方が良いです。
その理由は実にシンプル。
パンク修理が出来ないほどチューブが損傷する可能性があるからですね。
自転車が走る路面には、様々な物が落ちています。
それは、ガラスの破片や小さな金属片、潰れた空き缶など。
例えスピードを落として走っていたとしても、これらの物を全て目視で避けることは不可能です。
そのため、気が付かずに踏んでしまうことがあります。
もし踏んでしまったとしてもチューブに小さな穴が空いた程度ならば、パンク修理セットのみで対応できますが、大きな傷ができてしまったら予備のチューブがなければどうしようもありません。
また、単純にパンクした穴を塞ぐ作業が面倒くさいと思っている人もそれなりに多いのではないでしょうか。
はっきり言ってしまえば、パンク修理するより、チューブ交換した方が作業時間が大幅に短縮できます。
チューブ自体はそれほど高価な物でもないし、そもそも頻繁にパンクしないのでしたら、パンクしたらチューブ交換で対応するという考えでも全然問題ない訳です。
これらの理由で、サイクリングへ出かける際は、予備チューブを携帯した方が良いですね。
チューブの正しい携帯・保管方法とは
予備チューブの携帯方法として、サドルバックやツールケース、ツール缶などに入れてしまうのが一般的です。
また、予備チューブだけでなく、携帯工具やタイヤレバー、パンク修理セットを一緒に入れる人も多いでしょう。
その際、予備チューブをどのようにして入れていますか。
例えば以下のように入れているのでは。
- チューブを購入した時のパッケージをそのまま入れる
- パッケージから取り出したチューブをそのまま入れる
このような方法では、収納スペースが大きくなりがちです。
限りある収納スペースを効率よく使っていくためにも、チューブはできるだけ小さくしましょう。
絶対に止めて欲しいのは、チューブをむき出しのままに入れないこと。
そんな状態で入れていると、自転車の走行中にチューブが他の携帯工具などと当たって、気づかない内にチューブを傷つけてしまうかも。
すると、パンクした際、チューブを交換したら「スー」と空気が抜ける音が聞こえてしまい、悲しい事態に陥ります。
おすすめは、一度チューブ内の空気を抜いて、小さく巻いてラップで包む方法ですね。
そうすることで、酸素を遮断することに繋がり、チューブの劣化を防ぎます。つまり、チューブは長持ちするし、コンパクトになるため収納にも優しい。まさに一石二鳥となる訳です。
予備のチューブを自宅で保管する場合でも、予め小さく巻いてラップに包んでおいて下さい。
そうすれば、チューブの劣化を防ぐだけでなく、携帯する時に手間がかからず便利です。
また、チューブのようなゴム製品は、紫外線を浴び続けると劣化が早まりますので、日光が当たらない場所へ保管しましょう。
ゴムに紫外線が当たって劣化することを「光劣化」と言うよ。紫外線を吸収したゴムは、化学反応を起こしてしまい、亀裂が入ったり、硬くなったりするね。
【タイヤに関する話(その1)】
タイヤはチューブと同じゴム製品であり消耗品です。下記記事では、タイヤについて様々な話を紹介します。
チューブはラップで包んで酸化を防ぐのがベスト
使用するラップはどんな物を使えばよいのか
使用するラップは、ホームセンターなどで販売されている梱包用のフィルムや食品用ラップがおすすめです。
巻きやすさを考えると、梱包用のフィルムが使いやすい。
コスト的にも全然高い物ではありませんので、1つ購入しておくと良いでしょう。
ラップを使ったチューブの包み方
一度でも使用したことのあるチューブを使う場合は、空気を抜くことから始めます。
バルブの先を緩めておいてから、バルブの反対側から丸めましょう。その際、空気を押し出すようにして丸めて下さい。
ある程度丸めていくと、残っている空気でチューブが膨らんでいきますが、バルブの先を指で押して空気を抜きながら作業を進めます。
最期まで巻き終えたら、今一度完全に空気が抜けた状態を確認して、バルブを閉めましょう。
そして、チューブをほどいて下さい。これでチューブを巻く準備が整いました。
パッケージに入っている新品のチューブは、既に巻かれていますが、まだ小さく巻くことができる場合が多いので一度チューブを解きます。
あなたがお使いになるサドルバックやツールケース、ツール缶の形状によって、チューブの巻き上がりの長さを調整して下さい。
バルブ側から巻き始め、バルブより長めにキツク巻くのがポイントです。
バルブの長さで巻き始めてしまうと、巻きあがった時に真ん丸に近づくため、バックの中へ入れにくいですよ。
巻き上がりを調整して、細くなるよう考慮しましょう。
尚、チューブの中に少しでも空気が残っていると、ぴっちり巻けないですね。
ここまで出来たら、よいよラップの出番です。
巻いたチューブがほどけないよう気を付けながら、ラップの角から巻いて下さい。
その際、ラップでチューブを密閉することを意識しましょう。
そのためには、少し強めに巻くと良いです。
作業自体はこれで終了ですが、最後に忘れてならないのは、ラップを巻いたチューブに「サイズとチューブの購入日」を記入すること。
これを忘れてしまったら、チューブを複数ストックしている場合に困ります。
ストック物の原則として、購入日付が古い物から使っていきますが、日付を記入していないと、どのチューブから使用して良いのか判断ができません。
古い物から先に使う考えは、食べ物をイメージすると分かりやすいかも。
また、複数のタイヤサイズを使用しているのならば、パッと見た目で確実にサイズを判別したいですね。
ラップで包んだチューブは、サドルバックやツールケースに入れて携帯したり、自宅で保管します。
ちなみに私が保有するロードバイクなどでは、現在700×25Cと32Cのタイヤを使っているのでチューブも2種類ありますね。
このくらいの大きさになると、よく見ればサイズの違いを判別できるのですが、それでもやはりサイズを記入していた方が安心感があるかな。
【タイヤに関する話(その2)】
タイヤのサイズは表面に記載しているため、チューブと違って間違えることはないでしょう。下記記事では、タイヤについて様々な話を紹介します。
チューブの癒着を防ぐためにパウダーを使う?
ゴム製品のトラブルで良くあるのは、ゴム同士を長い間重ねているとゴムが溶けて癒着してしまうことです。
それを防ぐためにパウダーを用いることがあります。
本来の用途は、使用中のチューブにまぶすことで、タイヤとチューブの癒着を防ぐもの。
しかし、ストック用のタイヤやチューブに使用する人もいるそうですね。
実際にパウダーを使う使わないは賛否両論があるため、個人的には予備チューブに使わなくて良いのではないかと思っています。(酸素と紫外線を防ぐだけ十分です。)
【タイヤに関する話(その3)】
タイヤはチューブと同じゴム製品のため、同じ性質がありますね。そんなタイヤについて下記記事で様々な話を紹介します。
チューブの保管でやってはいけないこと
チューブの劣化については、先ほど酸素と紫外線によって影響を受けることをお伝えしました。
そのため、直射日光が差し込む明るい場所で、むき出しのままのチューブを保管するのは絶対にやめましょう。
また、オイルを塗ったりすると、チューブは劣化してしまう原因になるので、気を付けなければいけません。
尚、これらはチューブだけでなくゴム製品全般に言えるため、タイヤも該当します。
チューブの在庫は持ち過ぎない
どんなにチューブの保管に気を使ったとしても、ごく微量な酸素や紫外線によって経年劣化が起きてしまうのは仕方がありません。
一般的に遮光された場所でしっかり密閉されたチューブは、1~3年は持つと言われています。
そのため、長くても3年くらいを目途に予備チューブは交換した方が無難です。
つまり、予備のチューブを沢山持ち過ぎてしまうと、一気に駄目になってしまう恐れがあるかも。
個人的には、予備チューブのストックは携帯用に2本、自宅の保管用に1~2本あれば十分だと思っています。
まとめ
予備のチューブは、ラップに包んで酸化を防ぎ、直射日光の当たらない場所へ保管することについてお伝えしました。
遠出のサイクリングや自転車旅を行う際、予備チューブの存在は大変心強いです。
特に全く見知らぬ土地でパンクしてしまっても、すぐさま対応できるのは安心感がありますね。
反対に言えば、予備チューブがない状態で、パンクしてしまうとチューブの損傷次第では修理ができず絶望してしまうかも。
そんな不安を払拭してくるのが、予備チューブです。
いざと言う時に備えて、ラップに包み込んだチューブをサイドバックやツールケースなどへ入れておきましょう。