普段から自転車のチェーンの摩耗について、気にしている方は多いと思います。
しかし、チェーンをかけているスプロケットやチェーンリングの摩耗について、気にしていない人もいるのではないでしょうか。
実際は、スプロケットやチェーンリングもしっかり摩耗してますよ。
たとえそんな状態でも、自転車は何事もなかったようにしばらくの間走れますが、何もせず放置しておくと大変な目に合うことも。
本記事では、トラブルを未然に防ぐため、スプロケットやチェーンリングの交換時期についてお伝えします。
チェーンリングやスプロケットの交換の目安とは
自転車のスプロケットやチェーンリングは、消耗品です。
消耗品なので、自転車を使い続けていれば、いずれは必ず摩耗して使えなくなります。
そうなってしまえば、自転車の走行に様々な影響がでてきますね。(くわしくは、後述します)
スプロケットやチェーンリングの交換時期は、自転車の運転方法や走る環境によって異なるため、具体的に「〇〇km以上」で表すことはできません。
結論からいえば、スプロケットやチェーンリングの交換するタイミングは、チェーンを交換した時に歯飛びを起こしたら交換すると考えておけば良いでしょう。
なぜ、そのような結論に至ったのか順をおって説明します。
一般的な考えでは、スプロケットやチェーンリングの交換時期は、歯が減ってきたら交換するですね。
それでは、どれほど走れば歯が減ってくるものなのでしょうか。
一概には言えませんが、走行距離が10,000km以上に達するころには、歯が減っていることが多いです。なので、この走行距離を目安に交換するのもありですね。
この回答で納得する方もいらっしゃると思いますが、ちょっと待って下さい。
この考えは決して間違ってはいませんが、実際に歯を目視しても「歯が減ってきたなんて分からないよ」と疑問に思う方も多いはず。
極端に歯が摩耗していれば話は別ですが、少ししか摩耗していない場合は、見た目では分からず判断ができません。
そこで「歯飛びするかしないか」を目安にすると分かりやすいですね。
歯飛びとは、チェーンがスプロケットの歯から滑ってしまうこと。
力を入れてクランクを回した時に、変速を入れていないのにも関わらずギアが勝手に動いてしまったら歯飛びの可能性が高いですよ。歯が摩耗し過ぎてチェーンと噛み合っていないのでしょう。
尚、一番歯飛びが起きていることに気が付くのは、新品のチェーンに交換した時です。
チェーンは使い続けていれば、自然に伸びてしまうため、定期的に交換するものですね。
チェーンを交換した際、スプロケットやチェーンリングの歯と噛み合わず歯飛びが起きてしまいます。
そうなると、安全に走るためにも素直にスプロケットやチェーンリングの交換を行いましょう。
もしチェーンを交換しなければ、歯飛びに中々気が付くことがないかも知れません。
それは、悪い状態でチェーンとスプロケットやチェーンリングが噛み合っているからですね。
何が悪いかと言うと、伸びてるチェーンの間隔に合わせてスプロケットやチェーンリングの歯が削られているからですよ。さすがに極度にチェーンが伸びれば、歯飛びは起こりますが・・・
以上のことから、先ほど述べた結論「スプロケットやチェーンリングの交換するタイミングは、チェーンを交換した時に歯飛びを起こしたら交換する」となりました。
定期的にチェーンの清掃や注油をしっかり行い、適度に交換することで、スプロケットやチェーンリングの持ちは良くなります。
スプロケットやチェーンリングを交換しないとどうなるのか
スプロケットやチェーンリングは、使い続けていれば確実に摩耗していきます。摩耗が進んだ状態で使い続けると一体どのようになるのでしょうか。
それは、以下のような影響が出てしまい、非常に走りにくくなりますね。
- 変速がスムーズにできない
- 歯飛びを起こしてチェーンが外れる場合がある
- パワー伝達効率が悪くなるため、パワーロスが増える
必ずしも自転車が走れない訳ではないですが、明らかに走りに与える影響が大きいです。
特に坂道を上る時に変速がスムーズにできなかったりすると、結構ツライものですよ。また、歯飛びを起こしてチェーンが外れてしまうと思わぬトラブルに合うかも知れません。
何にしても今まで快適に走れていたのに、突然出来なくなれば、イライラの元になりますね。そんな気持ちでは、せっかくのサイクリングが楽しめなくなるでしょう。
【予防措置】チェーンを数回交換した時にスプロケットも交換する
チェーンの交換は、一般的に走行距離が3,000~5,000kmに達した時と言われています。
そのため、3,000km走ればチェーンを交換すると決めていた場合、チェーンの4回目の交換時には、走行距離が12,000kmに達しますね。
このタイミングでスプロケットやチェーンリングを交換するという考え方もあります。
常にベストを保ちたいならば、少し早めに交換することを考えて、チェーンを2~3回交換したタイミングが良いでしょう。
チェーンを適切に交換していないと後悔する羽目に
先ほども少し触れましたが、伸びたチェーンを使い続けていると、スプロケットやチェーンリングの寿命を縮めます。
これは、伸びたチェーンの間隔に合わせて、スプロケットやチェーンリングの歯が削られるからですね。伸びたチェーンを使うことは、返って他の駆動系部品にダメージを与えてしまい、結果的に高くつきますよ。
そんなことにならないためにも、定期的にチェーンの伸びを確認して下さい。「チェーンチェッカー」という工具を使えば、伸びを計測できます。
チェーンチェッカーは、1,000~3,000円で買えるためそれほど高い物ではありません。
また、自転車ショップへ立ち寄った時に、チェーンの伸びの計測を依頼すれば良いですね。定期的にチェーンを交換して、スプロケットやチェーンリングの寿命を守りましょう。
摩耗を防ぐため駆動部品の洗浄は大事
スプロケットやチェーンリング、チェーンは自転車の駆動部品であり、お手入れが大事です。自転車で走っているとこれらの部品には、砂・ホコリ・油汚れが着いたりします。
汚れが沢山ついていれば異音がしたり、スムーズな変速ができない場合があり、チェーンや歯を傷つけてしまう原因になることも。
特にギアとチェーンが擦れたときに出る「金属粉」が付着することもあり、これがヤスリのような働きをして、スプロケットやチェーンリングの摩耗を促進させてしまう原因になりますね。
そのため、定期的にスプロケットやチェーンリング、チェーンは洗浄しましょう。
そうすれば見た目だけでなく、それぞれの部品の寿命が長持ちできますよ。
チェーンは洗浄後に注油を忘れずに!
スプロケットは分解しないで、ホイールにつけたまま洗浄できますが、分解して洗浄すると綺麗に汚れが落ちます。
スプロケットを分解して洗浄するのは、手間がかかるので、半年や年に1度の割合で洗浄することを考えてみましょう。
まとめ
本記事では、スプロケットやチェーンリングの交換時期について説明しました。
最後にもう一度、本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- 【スプロケットやチェーンリングを交換するタイミング】
- チェーンを交換した時に歯飛びを起こしたら交換する
- 一般的には、走行距離が10,000km以上に達するころには、歯が減っているのでそのタイミングで交換する
- 予防措置のため、少し早めに交換することを考えて、チェーンを2~3回交換したタイミングに合わせて交換する
- 【摩耗が進んだスプロケットやチェーンリングによる影響】
- 変速がスムーズにできない
- 歯飛びを起こしてチェーンが外れる場合がある
- パワー伝達効率が悪くなるため、パワーロスが増える
伸びたチェーンを使い続けていると、スプロケットやチェーンリングの歯が削れてしまい、ダメージが大きいですよ。そんなことにならないためにも、「チェーンチェッカー」を使い、定期的にチェーンの伸びを確認しましょう。
また、定期的にスプロケットやチェーンリング、チェーンは、洗浄と注油を行なえば寿命が延びます。