素晴らしい日本のエーゲ海が広がる牛窓町。
昭和の香りが残る牛窓のしおまち唐琴通りを散策しながら、夕日の名所として名高い展望台を渡り歩きます。
恋人の聖地として名高い牛窓オリーブ園などの定番スポットを始め、様々な穴場スポットも訪れてみませんか。
本記事では、牛窓観光をするにあたり、是非訪れてみたい観光スポットを紹介し、牛窓町の魅力をお伝えします。
牛窓町とは
牛窓町は岡山県瀬戸内市の南端に位置し、瀬戸内海に面する港町です。
古くから「唐子の瀬戸」と呼ばれ風待ち潮待ちの良港として発展してきた経緯があります。
江戸時代から木造船の町として知られており、朝鮮通信使や参勤交代一行の宿泊町や停泊港として、重要な役割を果たしました。
現在は、温暖な気候や風光明媚な地であることを生かし、牛窓ヨットハーバーなどのマリンリゾートの地になっており、多くの観光客が訪れます。
【牛窓新八景と港町の紹介】
牛窓のような港町へ訪れると旅情を強く感じませんか。下記記事では、旅の道中に訪れた港町を紹介します。また、牛窓で訪れた「牛窓新八景」と呼ばれる絶景スポットも合わせて紹介します。
昭和の香りが残る「しおまち唐琴通り」を散策しよう
牛窓町には、江戸時代から昭和30年代頃の面影を残している町並みがあり、「しおまち唐琴通り」と呼ばれていますね。
この通りは、海岸線通りの内側を約1km海岸線に沿った形で伸びています。
こちらの中庭には、かつて牛窓の起点を示す道路元標があったそうです。
この中庭から直ぐに見えるのがこちらの住宅。
白壁土蔵は、白漆喰の海鼠壁であり、既に200年が経過されているとは思えないほど保存状態が良いですね。
周辺には、国の登録有形文化財に指定されている「高祖酒造」があり、見るからに歴史と風格を感じる佇まいです。
この高祖酒造は、1830年(天保元年)創業の造り酒屋で当時の酒造が残っていますね。
建屋に設置されていた案内板には、建築年代が記されており、酒蔵が天保年間、母屋が明治20年代でした。
しおまち唐琴通りは、狭い路地なので車で通るのは不向きですね。 そのため、徒歩か自転車で通るのをお勧めします。
散策を続けていると、かつて利用されていた共同井戸を発見。
土地柄雨が少なく、大きな河川もない牛窓では、夏になると水争いが起こったり、水売りが来たりしていたそうです。
こちらは散策中に偶然見つけたフクロウのオブジェ。何だか可愛いですね。(笑)
またしても井戸を発見。こちらの井戸は「御茶屋井戸」と呼ばれていました。
この井戸は、当時の岡山藩が朝鮮通信使を迎えるために掘られたそうで、他の井戸が枯れてもこの井戸だけは枯れなかったと言われています。
古い町並みの中には、お洒落な赤煉瓦の建屋がポツンと1軒建てられており、何だか場違いに感じるのは私だけでしょうか。
この建物(街角ミュゼ牛窓文化館)については後述します。
しおまち唐琴通りには、古い町並みが良く残っており、歴史を感じながら楽しく散策できました。
是非、牛窓町を訪れる機会があれば、ゆっくりと古い町並みを散策して当時の歴史に触れみましょう。
自分にとって、新たな発見があるかも知れません。
しおまち唐琴通り
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓
- 電話番号 0869-34-9500(瀬戸内市観光協会)
【古い町並みの紹介】
牛窓の町並みのように旅を続けていると古い町並みを良く見かけますね。下記記事では、古い町並みや昭和の香りが残る町などを紹介します。
定番から穴場まで、観光スポットの紹介
牛窓オリーブ園
牛窓の観光地として絶対に外せないスポットが「牛窓オリーブ園」です。
小高い丘の上にある牛窓オリーブ園は、10ヘクタールの広大な敷地面積に約2,000本のオリーブの成木を栽培しており、オリーブを使った美味しいスイーツも楽しめます。
特に「日本のエーゲ海」と呼ばれる牛窓の海の景色は、一見の価値ありです。
その美しい景色を自分だけでなく、親しい人と一緒に眺めてみませんか。
牛窓オリーブ園は、恋人の聖地に認定されており、多くのカップルが訪れるデートスポットにもなっていますね。
牛窓オリーブ園の詳細については、下記記事で紹介します。
牛窓海水浴場
牛窓海水浴場は、波穏やかで風光明媚な人気の海水浴場です。
1890年(明治23年)に岡山県下で2番目に誕生した海水浴場であり、シーズン中は多くの家族連れで賑わいます。
この海水浴場へ向かう通りには、ヤシの木が植えられており、南国雰囲気満載です。
こちらは、シャッターに描かれたアート作品。楽書アートと呼ばれています。
シャッターだけでなく、浜辺にあった大きな石にもアートが描かれていました。
浜辺のすぐ近くには、牛窓神社へ続く参道の石段があります。
例年、7月の第2土曜日から8月下旬の海水浴場シーズンでは、海の家が営業していますね。
海水浴シーズンに訪れても良いですが、できればシーズン以外に訪れてみて、穏やかで静かな牛窓の浜辺を散策してみましょう。
心がとても落ち着き、優しい気持ちになれます。
牛窓海水浴場
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓
- 電話番号 0869-34-9500(瀬戸内市観光協会)
- 無料駐車場あり(普通車100台、バス5台)※海水浴期間のみ有料
牛窓神社
牛窓神社は、その昔に神功皇后(じんぐうこうごう)が牛鬼を退治した伝説が残る神社です。
牛鬼は西日本に伝わる牛の怪異であり、主に海岸に現れては、人々を襲うと言われています。
先ほどお話しました牛窓海水浴場の近くから、363段の石段を上った先に牛窓神社は鎮座していますね。
牛窓神社へ向かう道中には、展望台などが整備されており、牛窓の海をじっくりと堪能しましょう。
林を抜けたその先には、神聖な空気が漂っている境内に立派な拝殿が佇んでいました。
牛窓神社で祀っている土地の神霊からパワーを授けてもらっては如何でしょうか。
牛窓神社の詳細については、下記記事で紹介します。
海遊文化館
海遊文化館は、県指定民俗文化財の牛窓だんじりや朝鮮通信使の文化交流資料などを展示しています。
モダンな印象を受ける擬洋風の外観が特徴ですね。
この建屋は初めから博物館として建てられた訳ではなく、1887年に岡山県警察西大寺警察署牛窓分署として建てられたのが始まりです。
もともとは、警察で使われていた建屋だったため「桜の代紋」があるのも納得ですね。
1997年まで牛窓警察署として使用されていて、その後は博物館になっています。
1998年には国の登録有形文化財に登録されました。
こちらは館内にあった「牛窓だんじり」です。手前に見えるのが「だんじり飛龍丸」で奥に見えるのが「御船だんじり」ですね。
だんじり飛龍丸は、頭部は勇壮に飛翔する龍を表し、後部には雲中を静かに飛ぶ小天狗を表しています。
屋形の前後左右に鬼女や天狗などの彫刻を施しており、見る人にその存在感をアピールしていますね。
また、船底には車輪が付けられ移動ができるようにしています。
全長5.8m、幅1.7m、高さ3.3mもあり、岡山県指定重要有形民俗文化財に指定されました。
毎年10月に開催される牛窓の秋祭りでは、牛窓だんどりを巡行します。
機会があれば是非、牛窓だんじりの雄姿を見学に行ってみましょう。
牛窓地区は10月の第4日曜日に5基の牛窓だんじりを巡行し、鹿忍地区は第2日曜に3基の牛窓だんじりを巡行するそうだよ。
海遊文化館
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓3056
- 電話番号 0869-34-5505
- 営業時間 9:00~17:00(最終入館は16:30まで)
- 休館日 水曜日(7月、8月は除く)
- 料金 大人300円、小中高校生150円
- 無料駐車場あり(普通車9台)
- ※朝鮮通信使の文化交流資料は、写真撮影禁止です。
街角ミュゼ牛窓文化館
街角ミュゼ牛窓文化館は、牛窓地区の歴史文化について公開しており、多くの人々へ伝承する役割があります。
この建屋は、1915年に牛窓銀行の本店として建てられ、1980年まで使用されていたそうです。
基礎は花崗岩として、ドイツ製赤煉瓦の外壁であり、漆喰白モルタルの内壁を配しています。
1997年5月に国指定登録有形文化財に指定されました。
館内は吹き抜けで高く開放的であり、壁は漆喰で仕上げています。
ここでは、牛窓の伝統料理である「ししこま作り」について説明がありました。
ししこまは、米粉に水を加えて練り、ゆでた後に臼でついてこねた後で、山や海の幸をかたどった団子にし、色子で彩色したものです。
女の子が生まれた初めての八朔(旧8月1日)に作っていたそうです。
古くは牛窓港一帯で行われてきた「ししこま作り」も今では、牛窓町牛窓西町地区のみにしか伝わっていません。
個人的には、可愛い猫たちが口を大きく開けて、あくびをしている姿の写真が何枚も飾られていたことが印象的でした。(笑)
街角ミュゼ牛窓文化館
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓2836-1
- 電話番号 0869-22-3953(瀬戸内市文化観光課)
- 営業時間 9:00~17:00
- 休館日 無休
- 料金 無料
- 駐車場なし
最一稲荷
しおまち唐琴通りを散策していると、真っ赤な鳥居がたくさん連なっている神社を発見しました。
この神社は「最一(さいいち)稲荷」と呼ばれています。
この最一稲荷について調べてみると、北側の山に住んでいた老いた狐が1871年(明治4年)にこの社のあるところで天寿を迎えたことがわかりました。
その後、老狐は霊狐となり、たくさんの人々の願いをかなえ続けている内に、京都の伏見稲荷大社から1874年(明治7年)に神璽(しんじ)を賜ったと伝わっています。
しおまち唐琴通りを散策する機会があれば、是非お参りに伺ってみましょう。
最一稲荷
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓2912
- 駐車場なし
絶景スポット、夕日が綺麗に見える展望台を紹介
先ほど牛窓町の絶景スポットの一つ「牛窓オリーブ園」については紹介しましたので、それ以外のおすすめ展望台を紹介します。
前島展望台
前島展望台は、牛窓町の沖合に位置している前島で最も高い所に設置している展望台です。
この展望台へ向かうには、牛窓港からフェリーに乗って前島へ上陸しましょう。
前島は、面積約2.42キロ平方メートルの離島であり、外周約8kmほどしかありませんので、自転車の乗ってサイクリングしながら島内を見て周ると楽しいです。
もし自分の自転車が持ち込みできないのならば、前島へ上陸した時に直ぐに見えるフェリー乗り場で電動アシスト付き自転車をレンタルできますので、ご安心下さい。
こちらが前島展望台です。抜群の眺望を誇るおすすめスポットですね。
この展望台からは、前島周辺にある黄島や黒島を始め犬島、小豆島、豊島、淡路島などが見え、美しい多島美を満喫できます。
日本の夕日100選にも選ばれていますので、夕日の時間帯を狙って訪れるのも良いですね。
夕日で照らされる瀬戸内海の多島美の幻想的な景色を漫喫しましょう。
前島の詳細については、下記記事で紹介します。
牛窓天神社
牛窓天神社は、牛窓町の高台に位置し、学問の神様である菅原道真公を祀っています。
高台へ向かうためには、約120段の長い階段を上らなければなりません。
こちらが牛窓天神社の拝殿です。
菅原道真公が左遷されて筑紫の太宰府へ向かう道中に、この地の山の岩に腰を掛けて讃岐の方を眺められ、讃岐の守であった当時を思い偲ばれた跡に天満宮を創建されたと言われています。
境内にある展望台からは、瀬戸内海の綺麗な景色を見渡せますね。
日本の夕日百選にも選ばれている絶景スポットを漫喫しましょう。
牛窓天神社
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓3224
- 電話番号 0869-34-5197(牛窓神社)
- 御朱印は牛窓神社で授かれます。
知る人ぞ知る癒しスポット「五香宮」猫たちの集会場を紹介
牛窓で最も狭い唐琴の瀬戸の近くには、五香宮(ごこうぐう)があります。
また、昔は五香宮の辺りから、前島行きの船が出ており、その名残として牛窓灯籠堂跡が残っていました。
実はこの五香宮の周辺は、可愛い猫たちが集まる癒しスポットになっています。
こちらの猫を見て下さい。可愛い寝姿に癒されました。
釣り人たちから要らない魚をおすそ分けしてもらっているためか、多くの猫たちが集まってきますね。
こちらの写真は、五香宮へ向かう階段前で佇む猫。バックに写る瀬戸内海とのコラボが良い感じです。
人に慣れているのか、猫の方から私に近づいてきました。(嬉)
猫ちゃんのお座りポーズです。(猫ちゃんを撮るときはフラッシュで驚かせるのは厳禁。)
猫ちゃんの機嫌次第では、ツーショット写真も期待できますね。
この五香宮は猫だけでなく、少し高台にあるため、港町の光景が見て取れます。
五香宮で可愛い猫たちの出会いに感謝を伝えてみませんか。
五香宮
- 住所 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓2720
- 電話番号 0869-34-5197(牛窓神社)
- 御朱印は牛窓神社で授かれます。
【動物あれこれ】
五香宮のように可愛い猫たちが集まるスポットは貴重ですね。下記記事では、可愛い動物たちと触れ合えるスポットを紹介します。
驚きの廃墟「水没ペンション村」を紹介
牛窓町には、かつて「鹿忍(かしの)グリーンファーム」と呼ばれていたリゾート地がありました。
このリゾート地が廃業後にいつの間にか水没してしまい、現在廃墟となり異様な光景を表しています。
この廃墟には、多くの野鳥たちが生息しており、けたたましい鳴き声が辺り一帯に響く光景は恐怖感を煽りますね。
この水没ペンション村へ訪れる機会があれば、遠くから見学するだけにしておきましょう。
水深はかなり深そうなので、近づくのは大変危険ですね。
美しい光景が広がる牛窓の海の周辺に、このようなスポットがあるのは、異次元の世界へ迷い込んだ錯覚を覚えました。
この水没ペンション村については、下記記事で詳しく紹介します。
まとめ
牛窓町の絶景・観光スポットを定番から穴場まで紹介しました。
今回紹介した観光スポット以外にも魅力あるグルメスポットなどがたくさんありますので、是非牛窓町へ訪れてみて下さい。
電車が通過していないため、少しアクセスに不便なところがありますが、穏やかな瀬戸内海に面した港町をゆっくりと散策しながら楽しみましょう。
【サイクリストの管理人からの一言】
自転車に乗って牛窓町を見て周ってみませんか。散歩のようにゆっくりと走れば潮風が気持ち良いですね。下記記事では、自転車(ロードバイクなど)の楽しさについてお話します。