ロードバイクを始めていると、いつの間にか気になる存在が「ビンディングペダル」です。
特に初心者は、多くのサイクリストが使っていることを知り、「いずれ、ビンディングペダルにするぞ!」と考えるもの。
もし、あなたがそんな風に思っているのであれば、ちょっと待って下さい。
実は、ビンディングペダルは人を選ぶのです。
そのため、何がなんでも「ロードバイク=ビンディングペダル」とはなりません。
確かに、ビンディングペダルは、多くのメリットがありますが、同時にデメリットもありますよ。
それ以前にあなたにとって、本当にビンディングペダルが必要なのか判断しましょう。
本記事では、ビンディングペダルの「必要・不要」を判断する方法について説明します。
ビンディングペダルの「必要・不要」は用途で判断する
ビンディングペダルの「必要・不要」を判断する方法を説明する前に、あなたに少し考えて欲しいことがあります。
あなたは普段、自転車でどのような乗り方(活用)をしていますか。
自転車の主な活用方法といえば、主に以下のようなものでしょう。
- 通勤通学や街乗りに使用している
- 週末にちょっとしたサイクリングを楽しんでいる
- 長距離を走るロングライドを楽しんでいる
- 自転車で知らない土地を巡っている(自転車旅)
- レースに参加して結果を残したいため、本気でトレーニングに取り込んでいる
自転車の乗り方なんて人それぞれです。
スピードを重視するのが好きな人もいれば、ゆったり走るのが好きな人もいる。
そして、ビンディングペダルが「向くシチュエーション」があれば、「向かないシチュエーション」もありますよ。
ようするに、ビンディングペダルとは、あなたが何をメインにして自転車を活用しているかによって「必要・不要」が決定されます。
そこで、ビンディングペダルが必要な人と不要な人を以下にまとめました。
それぞれについて説明します。
ビンディングペダルが「必要」な人とは
ロードレースへ参加する
ロードレースは、ライバルたちがしのぎを削り、順位を争うスポーツですね。
そのため1分1秒を争う熾烈な戦いになることも少なくありません。
ビンディングペダルは、効率よく速く走るために、劇的な効果をもたらします。
ロードレースへ参加するならばマストなアイテムでしょう。
特に足を高速で回さなければならないスプリントにおいては、ビンディングペダルでないと力強く安定してペダルを回すことができないです。
これが、フラットペダルならば、足が固定されていないため、常に正しい位置でペダルを踏むことができないし、足がペダルから滑らないように気を付けなければなりません。
もちろんスプリントだけでなく、レース中の巡航を始め、ヒルクライムやダウンヒル、加速などあらゆる場面で、ビンディングペダルの恩恵を受けれます。
つまり、ビンディングペダルが最も必要とされるシチュエーションとは、速さを競うロードレースなのです。
普段からレースを意識している人にとっては、ビンディングペダルは欠かせないアイテムといえます。
【サイクルイベントの話】
ロードバイクを続けていると、ロードレースなどのサイクルイベントが気になるものです。そこで、下記記事では、サイクルイベントに関する話を紹介します。
長距離を走る
週末などのサイクリングで、50km以上の距離を走るのならば、ビンディングペダルの効果の恩恵は絶大です。
ビンディングペダルにより、足とペダルを固定させれば、ペダルを踏んでいる最中に、足の位置がズレる心配がなくなりますね。
ロングライドでは、これがかなり重要ですよ。ライド中に足がズレてしまうと、力の伝わり方が一定でなくなり、効率的ではないですし、ペースが狂ってしまうことも。
ペースが狂いはじめると、疲れの蓄積が早まる原因になります。
特に引き足を使った「ペダルを回す」ペダリングをマスターすれば、足の筋肉への負担が分散できて、より疲れづらくなるのは素晴らしい。
それほど、長距離を走るには、ビンディングペダルが向いています。
尚、長距離を走る自転車旅では、ビンディングペダルの有無は賛否両論がありますが、これは旅の道中で様々な観光地へ訪れ、徒歩で観光地を巡る機会が多いからですね。
ビンディングペダルに合うシューズには、「SPD」と「SPD-SL」の2つがあり、SPD-SLシューズは、クリートが出っ張っているため歩きにくいですよ。
けれど、SPDシューズは、普通に歩けるので自転車旅でビンディングペダルを使うならば、SPDシューズがお勧めです。
自転車旅では、ビンディングペダルではなく、フラットペダルにトゥークリップを使う選択肢もありますね。この場合では、スニーカーなど普通の靴が使えます。
【自転車旅に関する話】
自転車で知らない土地を巡る旅は楽しいものですね。下記記事では、そんな自転車旅の魅力などについて紹介します。
ビンディングペダルが「不要」な人とは
通勤通学や街乗り中心
自転車の主な使い方が、通勤通学や週末などでちょっとしたサイクリングへ出かける程度でしたら、あえてビンディングペダルを使う意味がありません。
全く意味がないといえば嘘になりますが、無くても気になることはほとんどないでしょう。
ストップアンドゴーが多い町中では、信号待ちなどが多く、ペダルへ足の脱着を繰り返す場面が多くなります。人によっては煩わしいと感じるかも。
それに、人通りの多い町中では、安全のためにも自転車のスピードを出して走る機会は少ないですね。
つまり、ビンディングペダルを使っても、役立つケースがあまりありません。
また、ちょっとしたサイクリングでは、どちらかというと「ゆるポタ」を楽しむ方が多いでしょう。
自転車で目的地まで移動して、カフェや観光などを楽しむ。
そのような楽しみ方でしたら、スニーカーや運動靴の方が、ビンディングシューズを履いて歩くより、断然歩きやすく便利ですよ。
【自転車通勤・通学に関する話】
通勤通学の友として、自転車を活用する方はかなり多いですね。下記記事では、自転車通勤・通学でためになる話を紹介します。
長距離を走らない
自転車で長距離を走らなければ、無理にビンディングペダルを使わない方が良いです。
先ほど通勤通学や街乗りには、ビンディングペダルは不要と説明しましたが、短い距離ではフラットペダルの手軽さを優先した方が良い場面が多いですね。
短距離では、あえて効率的なペダリングに拘らなくても、普通にペダルを踏んで漕ぐだけで十分ですよ。
距離が短ければ、走る時間も短く、それほど疲れることもありません。
ある程度体力のあるサイクリストであれば、平坦路中心の50km未満の距離程度でしたら、ビンディングペダルでなくても余裕を持って走れることが多いでしょう。
たとえビンディングペダルを使っていても、面倒くささを感じてしまい、試しにフラットペダルに交換すると、「何、この気楽さは」と驚くことも。
つまり、長距離を走らなければ、ビンディングペダルを使わない方が、より気軽に走れます。
初心者はいきなりビンディングペダルを使わない方がよい
ロードバイクの走りに慣れていない初心者の内は、あえてビンディングペダルを使わない方が良いでしょう。
ペダルに足を固定するということは、とっさの判断が必要な場面でペダルから足を素早く外せなくて、そのまま立ちこけすることも。安全性に対する懸念があります。
ロードバイクのスピード感や足の疲労具合について、よく把握できた後からビンディングペダルに交換しても遅くはありません。
また、初心者は、街乗りなどでビンディングペダルにスニーカーや運動靴で乗ることも多いでしょう。
それ自体は別に何もおかしくはありませんが、盗難車と誤解される可能性がゼロでないですよ。
個人差はあるものの、ビンディングペダルは使い続けていれば、やがてほとんど無意識にペダルと足の脱着ができるようになります。
ビンディングペダルは向き不向きがある
ビンディングペダルは使えば走り方が劇的に変わりますが、実は誰もがその恩恵に預かる訳ではありません。
どんな何事にも向き不向きがあるものですし、それはビンディングペダルにも言えますね。
向かない一例を挙げると、「ビンディングペダルを使っていると膝が痛くなる」「ビンディングペダルで練習したけど、あまりフラットペダルの時とスピードが変わらない」などがあります。
まだロードバイクの走りに体が慣れていないだけかも知れませんが、向かない人がいるのも現実です。
どうしてもビンディングペダルが向かないと感じるならば、無理をしてまで使い続ける意味はないので、フラットペダルに戻した方が良いでしょう。
そもそもビンディングペダルは、速さを競うロードレースに特化したアイテムなので、あえてビンディングペダルを使わない選択肢は十分にあり得ます。
まとめ
本記事では、ビンディングペダルが「必要・不要」の判断する方法について説明しました。
最後にもう一度、説明した内容を以下にまとめます。
- ビンディングペダルが「必要」な人
- 速さを競うロードレースへ参加するには、ビンディングペダルはマスト。
- 長距離を走る場合は、ビンディングペダルで効率の良いペダリングができるので疲れにくくなれる
- ビンディングペダルが「不要」な人
- 通勤通学や街乗り中心で、週末にちょっとしたサイクリングへ出かける程度ならば、スピードを出す機会もそれほどないためビンディングペダルは不要
- 長距離を走らないのであれば、ビンディングペダルより手軽に扱えるフレットペダルの方が便利
あなたが自転車をどのように活用しているかで、ビンディングペダルの有無を判断すれば間違いはありません。
また、初心者の内は、安全性に対する懸念があるので、ロードバイクの走りに慣れるまでは、ビンディングペダルを使わない方がよいです。
人によっては、ビンディングペダルが向かない方もいるので、しばらくビンディングペダルを使ってみて適正を判断してみましょう。