ロードバイクでダウンヒルを楽しめるようになると、よりスピードを出したいと思うようになりませんか。
気持ちは分からなくはないですが、そんな誘惑には負けないで下さい。
スピードを出し過ぎると安全性が損なわれ、重大事故へ発展する可能性が高まります。
具体的には、コーナーを曲がり切れず落車したり、スリップすることも。落車してからその危険性に始めて気付けるのでは、遅すぎますね。
本記事では、ダウンヒルで良く起きる事故とダウンヒルのために用意しておきたいアイテムを紹介します。
スピードの出し過ぎは危険、ダウンヒルで良く起こる事故とは
「スピードを出す」と言うのは、ロードバイクに限らず車やジョギングに至るまで、全ての行動に危険が付きまといます。
自分で完全に制御できるスピードならば、突然予想外の出来事に遭遇しても冷静に対処できますが、そうでなければ重大事故に発展する可能性を秘めているのです。
ロードバイクに乗っていると、特にダウンヒルには危険が伴います。
予めダウンヒルで起こりえる事故を知っていれば、何に気を付けなければならないのか、良く理解できるようになれますよ。
スピードを出し過ぎると視野狭窄に陥り、状況判断が雑になってきます。また、運転技術が伴っていないと咄嗟の対応ができません。
そこで、ダウンヒルで起こる主な事故を以下にまとめました。
それぞれについて説明します。
【運転技術の紹介】
自転車を安全に運転するためには運転技術の向上が必要です。下記記事では、自転車の運転技術についてお話します。
【事故①】コーナーを曲がり切れず落車
スピードの出し過ぎで、コーナーを曲がり切れず落車してしまうことは、それほど珍しくはありません。
なぜなら、コーナーを曲がっている時は、遠心力の影響で外側に膨らもうとするからです。
進入したスピードが速ければ速いほど遠心力も大きくなるものなので、その結果、コーナーを曲がり切れなくなる訳ですね。
また、コーナーの角度にも注意して下さい。コーナーの角度がタイトになるほど遠心力は強く働きます。
コーナーへ差し掛かる前に、十分にスピードを落とせば遠心力も小さくなり、安全にコーナーを曲がれます。
慎重に走っていれば必ず防げる事故なので、スピードの出し過ぎは絶対に止めましょう。
しっかり前を向いて、路面状況などを良く見て判断しよう。コーナーを曲がった先の道を含めて安全なライン取りが重要だよ。
【事故②】スリップして落車
冬など気温が寒くなってくると峠や山道では、路面が凍結したりします。
凍結した路面では、タイヤがスリップしやすくなりますね。
その際、スピードが出ていればいるほど、スリップした後の影響が大きく、自転車の操作が不能になりますよ。
そんな時に対向車が向かってきていると、対処できず正面衝突してしまう可能性もあるのです。
良く凍結する路面に対しては、道の沿岸などに「凍結注意」の文字が記されていることが多いので、そのような道を走る場合は十分に注意しましょう。
路面だけでなくタイヤの摩耗により、スリップを引き起こしたりします。タイヤは摩耗が激しくなる前に、定期的に交換することをお勧めします。
スリップで怖いのは、一時的とはいえ自転車の制御ができなくなることです。
ダウンヒル時にそんな状況に陥ると、とてつもない恐怖を感じますね。
【事故③】急ブレーキによりバランスが崩れて落車
スピードが出ている状態で急ブレーキをかけると後輪がスリップする可能性が高いですね。
ある適度のスリップならば、自然に体のバランスを取って事なきを得ることが多いですが、バランスを崩し過ぎると落車してしまいます。
特にスピードが出るダウンヒル時にバランスが崩れるのは、大変危険であり、落車後に大怪我をすることも珍しくはありません。
普段は急ブレーキをかけずに走り、本当に必要な時にだけ、躊躇せず急ブレーキをかけましょう。
【事故④】突然の対向車に驚き落車又は衝突
タイトなコーナーなどで見通しの悪い道をダウンヒルする場合は、特に対向車に気を付けて下さい。
スピードが乗っているダウンヒルでは、死角から対向車が飛び出してくると対処が間に合わない可能性があります。
その結果、落車又は車に衝突してしまう結末だって十分に有り得ますね。また、道幅が狭く、車一台分しか通れない道を走っていると避ける事もできません。
常にコーナーの先には、対向車がいると意識して運転しましょう。強く意識して気を付けて走れば、十分に事故を防ぐことが可能です。
【事故⑤】車間距離が短いため、停止できず衝突
自分の前をダウンヒルしている人がいる場合は、車間距離を十分に空けて走りましょう。
車間距離が短いと、思わぬ事故に合う可能性があります。
例えば、前の人が急ブレーキで停止した場合、自分も急遽急ブレーキをかけても直ぐに自転車が停止せず、前の人と衝突してしまう事故は、普通にありますよ。
前の人の立場では、後ろの人の状態は分からないので、これは後ろを走る人が気を付けるしかありません。
出しているスピードに応じて、ブレーキをかけた時に停止するまでの距離が長くなります。
そのため、スピードが乗るダウンヒルでは、十分な車間距離を空けて下さい。
個人的には、50m以上の車間距離があれば安心できます。
安全にダウンヒルを行なうため用意しておきたいアイテム
安全にダウンヒルを行なうには、ロードバイクの装備品(アイテム)も整えましょう。
具体的には、以下に挙げる物を装備すると安全面が高まります。
- 高いグリップ力を誇るタイヤ
- 振れのない軽量ホイール
- ウインドブレイカー
それぞれについて説明します。
高いグリップ力を誇るタイヤ
各メーカーから様々なタイヤが販売されており、その中からグリップ力が高いタイヤを選ぶとよいです。
一つ1万円前後する上位グレードのタイヤならば安心感がありますね。
また、タイヤが摩耗しているとスリップの原因になりますので、摩耗が激しくなる前に定期的に交換しましょう。
振れのない軽量ホイール
ホイールの重量が重たいロードバイクは、コーナーを曲がる時に自分が思い描いたラインより、外側に膨らんでしまうことがありますね。
そこで、軽量なホイールにすることで、バイクコントロールがしやすくなるメリットがあります。
良く完成車に取り付けられている前後2kgのホイールと前後1.5kgのホイールを比較すると、出しているスピードにもよりますが、1.5kgのホイールの方がコーナーリングのライン取りがし易くなります。
また、ホイールに振れがあるとスリップする可能性が高まりますので、自転車ショップで振れを取ってもらいましょう。
ウインドブレイカー
長い坂道をダウンヒルしていると、風の影響で体温がドンドン奪われていきます。
体温が下がると判断能力が低下し、普段起こさないような運転ミスなどを引き起こす原因になりかねません。
長い坂道を下る時は、ウインドブレイカーを着こみ風から身を守りましょう。
ダウンヒルを上手に行うコツとは
ダウンヒルを上手に行うためには、以下に挙げるコツを身につけるのが効果的です。
- スピードは出し過ぎない
- ブレーキは早めにかける
- 後ろ寄りに乗る
- 下ハンドルを握る
- 前方確認はしっかりする
- リラックスする
- ライン取りを意識する
- 車間距離を空ける
これらをしっかりと守っていけば、安全にダウンヒルができますよ。
これらのコツについては、下記関連記事で紹介します。
まとめ
本記事では、ダウンヒルでよく起こる事故について紹介しました。
最後に本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- スピードの出し過ぎで、コーナーを曲がり切れず落車する
- 凍結した路面では、タイヤがスリップしやすい
- 急ブレーキによりバランスが崩れて落車する
- スピードの出し過ぎで突然の対向車に対処できるず落車(又は衝突)
- 前を走る人が突然停車しても、車間距離が短いため、ブレーキをかけても間に合わず衝突
ダウンヒルは慣れてくると、とても楽しいですが危険が常に付きまといます。
スピードによる爽快感に浸り続け、状況判断を疎かにすると重大事故につながるケースがあり、命取りになる可能性だってあるのです。
安全にダウンヒルをするためには、必要な知識と技術を身に付け十分に注意を払いましょう。