自転車は、車道を走るのが世界共通の認識ですが、日本では未だ「自転車=歩道」と思っている方はそれなりに多いですね。
そのため、普段から歩道ばかり走っていれば「車道を走るのが怖い」と思うのは仕方がないでしょう。
普段から自転車で積極的に車道を走っている方でも、車がスピードを出して往来している状況が全く怖くないと言えばウソになります。
しかし、いくら車道が怖いからと言って、いつまでも歩道を走るのは問題です。歩道はあくまで歩行者が歩く場所であって、自転車が優先して走る場所ではありません。
それでは、どうすれば車道を走る恐怖心にうち勝つことができるのでしょうか。
本記事では、車道を走るのが怖いと思っている人が、安全に車道を走る方法をお伝えします。
最終的に車道を走るのは慣れます
最初は誰しもが自転車で車道を走るのは怖い物です。
しかし、少しずつでも良いので車道を走り続けていると、最終的には慣れてきます。
大事なのは、自転車で走れる車道であるか見極めることですね。
これは、ある程度経験を積むと自然にできてしまうので、難しく考える必要はありません。
まずは、車道を安全に走るための知識を学び実践していきましょう。
以下に車道を安全に走るための主な対応方法をまとめました。
- 危なくない車道を走る
- 自転車道や路肩と白線の間にある広いスペースを走る
- 路肩ギリギリを走らない
- 車道に入り過ぎない
- 雨が降った日や翌日は、白線の上やマンホールの上を走らない
- 真っ直ぐ安定して走る
- 信号待ちの時に車の前へ出ない
- 信号待ちの時に車の死角へ入らない
- 車の運転手に対して意思表示を忘れない
- 路肩に設置された金網の上を走らない
それぞれについては、後で詳しく説明します。
車道の中には、自転車で走るのが危ないところもありますので、そういうところは無理をしないで歩道を走るか回避するのが無難です。(そのような場所は、大抵自転車の通行が認められています。)
但し、自転車が歩道を走るにはルールがありますので、ルール厳守を忘れずに。
交通規則を遵守し、安全に車道を走りましょう。
車道を走るのが怖いと思う理由とは
車道を走るのが怖いと思う理由は、何と言っても猛スピードで車が走っていることですね。
車の運転手の感覚では、見通しの良い広い道を時速40km/hのスピードで走っていると、遅いと感じてしまいますが、歩行者や自転車乗りの立場からでは、時速40km/hはかなりの高速です。
そんな車が自転車の横を走り去ると、恐怖心を感じずにいられません。
それは人間の本能からの警告なので、恐怖心をゼロにすることは不可能ですが、少なくすることは可能です。
人はあらゆる環境に適合できる性質ですので、慣れることができます。
しかし、いくら慣れてきたとしても自転車で走るのが危険な車道は走らないようにしましょう。
何よりも安全が優先されます。
車道を安全に走る方法
危なくない車道を走る
どんな道を走るにしても、事故のリスクをゼロにすることはできません。
まずは、車の往来が少ない車道を走り、車道を走る感覚を掴むと良いでしょう。
尚、トラックなど大型車が良く走っている道は走らない方が無難です。
また、車がスピードを出し過ぎている道は絶対にやめておきましょう。
たまに車が走っているが、ほとんど徐行に近いスピードで走っているような道がベストですね。
同じ道でも時間帯によっては、車の交通量は変わってきますので注意が必要です。
何日も車道を走っていると自然に慣れてきます。(人によっては数時間で慣れます。)
ずっと危なくない車道だけを走ると言う考えも全然OKだね。
【運転技術に関する話】
車道は平坦路だけとは限りません。上り坂や下り坂もありますね。車道を走ることに慣れてきたら運転技術を向上させることも忘れてはいけません。下記記事では、自転車(ロードバイクなど)の運転技術について紹介します。
自転車道や路肩と白線の間にある広いスペースを走る
道によっては、路肩と白線の間に自転車が余裕で入れるスペースがあったりします。
そのような道は、自転車道になっていることも多いですね。
例えば、自転車2台を並列に走らせても、全然スペースに余裕があるような道では、比較的安全に走れます。
路肩ギリギリを走らない
自転車で路肩(又は路側帯)ギリギリを走るのは危険なので絶対にやめましょう。
路肩により過ぎると、車はスピードを出して自転車を抜き去ろうとします。
その際、自転車の真横を走る車に対して恐怖心が沸き起こりますね。
そのような道では、白線より右側に50cmほどのところを走っていた方が反対に安全です。
また、路肩を走っていると突然道が狭くなり、慌てて車道側へ入ろうとすると、かえって事故に合う確率が高くなるため、始めから路肩ギリギリは走らないようにしましょう。
路肩はガラス破片などのゴミが落ちていたりするので、路肩を走るとパンクする可能性が高まります。
車道に入り過ぎない
路肩に近づき過ぎて走るのは危険と言うことで、反対に車道に入り過ぎて走るのもやめましょう。
車道の内側は、ロードバイクなどのスポーツ系自転車に乗って、ある程度スピードを出して走れるならば比較的安全です。
しかし、そうでないのならば、車の渋滞を作る原因になります。
先ほどお話しましたが、白線より右側50cmほどのところを走るのがベストですね。
車のドライバーからブザーを鳴らされて「ビク!」することがあるかも。
雨が降った日や翌日は、白線の上やマンホールの上を走らない
白線やマンホールの上を走る人は、一定数いますね。
天気が晴れている日は特に問題はないのですが、雨に濡れると滑りやすくなるため、注意しましょう。
雨が降っている日はもちろんですが、翌日も避けた方が無難ですよ。
白線の上は、ゴミや異物が落ちていると、見つけやすいです。
真っ直ぐ安定して走る
車道でフラフラ走っていると、危険極まりないです。
真っ直ぐ走る自信がなければ、車が来ない道で練習しましょう。ある程度スピードを出して走ると自転車は安定します。
バランスを崩さずに、真っ直ぐ走れるようになってから車道へチャレンジしても遅くはありません。
安定して走れるだけで、車道を走る恐怖心はかなり薄れますね。
ロードバイクで初めて走る人は、シティーサイクル(ママチャリ)と比べて、バランスが取りづらく、真っ直ぐ走れなかったりするよ。
【ロードバイクを始めてみよう】
ロードバイクはシティーサイクルと比べて、スピードを出せる別次元の乗り物ですね。そんなロードバイクを始めてみませんか。下記記事では、ロードバイクの楽しさについて紹介します。
信号待ちの時に車の前へ出ない
信号待ちをしている時に車の前へ出る行動は、基本的にやめるべきです。
残念なことに車の運転手全員が運転マナーが良いと限りません。信号が変わると同時に発進するドライバーもいるのです。いきなり後ろから車が急発進してくると、恐怖感が湧きますね。
しかし、状況次第では前に出てた方が良い場面があることを覚えておいて下さい。
例えば、交差点で信号待ちをしている時に車が明らかに左折しようとしている場合は、ドライバーの心理状態から言って、先に自転車を行かせたいと思います。
このように円滑に交通が流れる場合においては、信号待ちの時に車の前へ出ても大抵は大丈夫です。
信号待ちの時に車の死角へ入らない
信号待ちをしている車の死角へ入らないようにしましょう。
死角に入ってしまうと、車の運転手から自転車は全く見えません。
そうすると、車の運転手は車の周辺に自転車や歩行者などがいないと判断し、信号が変わったとたん直ぐに発進する可能性が高いです。
その際、車が左折しようとしている時に、死角に隠れていた自転車が飛び出して衝突する可能性があります。
車の死角は、普通車と大型車では異なるため注意しましょう。
車の運転手に対して意思表示を忘れない
自転車は車と違ってウインカーは付いていないため、真っ直ぐ走るのか左折・右折するのかはわかりません。
そのため、以下の行為を行えば、相手へ自分の意思が効果的に伝わります。
- 左折や右折、停車時にハンドサインを出す
- 車の運転手に対して目を合わせる
特にこのお互いに目を合わす行為は、何かしらのメッセージを感じ取れますので、それだけでも事故防止に役立ちますよ。
尚、これは車だけでなく歩行者に対しても言えることですね。
車道を走るときは、車に対して意思表示を見せることで、相手からは「何かあるぞ」と思われるだけでも危険の回避率は上がります。
路肩に設置された金網の上を走らない
車道を走っていると、路肩に設置された排水溝の金網を見かけることがあります
今は自転車のタイヤの幅より狭い金網のため、金網の上を通過しても特に問題がないことが多いですが、一昔前には、タイヤ幅の細いロードバイクのタイヤが金網の網目に挟まる事故が起きていたそうです。
また、金網は雨が降って濡れていると滑りやすいので、雨が降った当日はもちろんのこと、翌日も金網の上は通過しない方が無難ですね。
本当に危ない車道は走らない
自転車は道路交通法によると、車道と歩道の区別があるところは、原則車道を走らなければいけません。
自転車が歩道を走れるのは、基本的に「普通自転車歩道通行可」の標識が立てられている歩道だけです。
しかし、以下のよう場合は歩道を走ることが認められていますね。
- 道路が工事中
- 駐車車両などにより車道の左側部分を通行するのが困難な場合
- 車の交通量が多く、車道の幅が狭いため、追越そうとすると車などと接触事故が起きる危険性がある場合
また、以下の条件に該当している人も歩道を自転車で走れます。
- 自転車の運転者が13歳未満、もしくは70歳以上である
- 自転車の運転者が安全に車道を通行できない程度の障害を有している
詳しくは下記関連記事をご確認下さい。
本当に危ないと感じる車道は走らずに回避に努めましょう。
車道を走っていると自然に慣れます
自転車で初めて車道を走るのは怖いですが、数日走っていれば自然に慣れてきます。
また、人によっては数時間走るだけで慣れてくるでしょう。
今回紹介した安全に車道を走る方法を実践していれば、車道を走る恐怖感は、かなり低減できるはずです。
交通ルールを守り、無事故で自転車ライフを漫喫しましょう。