自転車で旅に出ることは、それほど珍しい話ではありません。
しかし、旅のお供がママチャリならば話は変わってきますね。
そもそもママチャリで長距離を走り、自転車旅(ツーリング)を漫喫できるのでしょうか。
ママチャリは、ロードバイクなどのスポーツ系自転車と比べて安価に入手できるため、ママチャリでいつか旅してみたいと考える人も少なくないでしょう。
実際、インターネットで日本一周を報告しているブログ記事の中には、ママチャリで旅している様子が記載されていたりしますよ。
本記事では、ママチャリで旅を満喫するためのポイントと、メリット・デメリットを説明します。
ママチャリで自転車旅を満喫するポイントとは
自転車で旅を続けていくために使用される車種は、主にランドナーやロードバイク、クロスバイク、E-Bikeなど高価なスポーツ系自転車が多いです。
冒頭でも少し触れましたが、ほとんどの人が、旅の費用を安価に抑えたいと考えますので、普段使っているママチャリで旅に出かけられないかと一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
結論から言えば、ママチャリでも自転車旅(ツーリング)を漫喫できます。
ただし、ママチャリで旅を行うにはメリットやデメリットがあるので、それをよく理解した上で行って下さい。メリットやデメリットについては、後でくわしく説明します。
本来、ママチャリは旅をする目的で作られた物ではないため、スポーツ系自転車と比べると走行性能は必ずしも満足できる物ではありません。
けれど、1日で100kmを越える長距離走行も不可能ではないですよ。
しかし、スピードを出すことは性能的に困難なため、時間はかかるし、疲れも溜まりやすいですね。
明らかに長距離移動には向いていないと断言できます。
時間がたっぷりあり、のんびり走りながら旅を続けるのならば、ママチャリの旅を楽しむことはできるでしょう。
そこで、ママチャリで旅するためのポイントを以下にまとめました。
それぞれについて説明します。
【ポイント①】旅の計画はより綿密に立てる
ママチャリで旅の計画を立てる時は、スポーツ系自転車で旅する場合と比べてより綿密に立てましょう。
具体的には、旅のコースを検討する時に、例え遠回りになったとしても勾配がキツクないコースを選ぶことで結果的に楽に走れます。
コース選びには、GoogleマップやGarmin Connectなどを使用すれば、道路の状態や勾配などを調べられるので便利ですね。
勾配の基準は、自分の脚力やママチャリに乗せる荷物の重さにより変わってきますが、勾配が5%を越えるとママチャリで上り続けるのはキツク感じますよ。
ママチャリはスピードがでないばかりか、変速用のギアも少ないため、走行性能は余り良くありません。そのため、走るコース選びはかなり重要です。
そのため、時間には余裕をもってコースを計画し、1日に走る距離は、比較的短めなのがお勧めです。一概にはいえませんが、個人的には、1日で30~50km走れば十分と考えています。
【ポイント②】坂道は無理をしないで押して歩く
日本国内至るどころを旅するならば、山道や峠などを無視することは困難です。
そのため、必ずどこかで勾配のキツイ坂道を上らなければならない瞬間が訪れます。
ママチャリで坂道を上るのが大変な場合は、無理をしないで自転車を降りて、押して歩いた方が結果的に楽であり、体力温存を図れる。
無理をして激坂を上り切ったとしても後が続かなくなり、体力が回復するまで休憩を余儀なくされますね。そうなると、予定外の時間ロスにより、旅の計画を修正しなければならなくなるかも知れません。
ママチャリに限った話ではありませんが、自転車で旅をするのはペース配分が大事であり、無理をしないことが大切です。
特に何日もかけて旅する場合は、無理な走りばかりしていると、必ずどこかで破綻します。
【ポイント③】荷物は少なめで、野宿は止めておこう
一般的にママチャリの重量は、約20kg前後あります。つまり、荷物を載せていなくても、その走りは決して軽快とは言えません。
荷物を載せれば載せるほど、その走りは鈍重になります。
更に、荷物の重さで真っ直ぐ走るのが困難になるので大変危険ですよ。できれば、荷物の重量は5kg以内に留めておいた方が無難です。
体力や脚力によっては、荷物の重量が5kg以上でも問題ありませんが、重心などを考えバランスよく荷物を配置して下さい。
また、テントなどキャンプ道具一式を用意して野宿しながら旅を続けるのは、ママチャリの場合はお勧めしません。
キャンプ道具一式を用意すると、重量がかなり重くなるため、ママチャリで旅をするには全く向いていないです。
決して不可能ではないですが、もし旅する場合は、1日で走る距離を短めにしたり、旅の途中で1日まるごと休養日を設けるなどして、体を十分に休ませる時間を確保しなければ、旅の途中でリタイアするのは確実ですね。
ママチャリで旅する場合は、ホテルや旅館などに宿泊して、1日の旅の疲れをしっかりと落とし、翌日以降の旅に備えましょう。
【ポイント④】ママチャリを改造すれば快適に旅ができる
ママチャリで普段から10km以上走ることは余りないですね。
しかし、自転車旅では10km以上走ることが多いため、快適に旅を続けていくためにもママチャリを改造することをお勧めします。(絶対に必要な訳ではないので、悪しからず)
以下のようなママチャリの軽量化や部品交換などを行なうことで、改造前に比べて走りが軽くなりますね。
- タイヤやサドル、ハンドル、ホイールを交換する(交換する部品は、費用しだい)
- 前カゴを取り外す
ママチャリを改造するにあたり、それなりの費用が発生しますので、費用対効果について良く考えること。改造作業に当たり、自転車を改造する知識と技術に自信がないのであれば、自転車ショップの店員へ相談し依頼しましょう。
改造以外にもサドルを高くしたり、ハンドルを低くすることで、前傾姿勢を取りやすくなり、快適性アップにつながります。
ママチャリで自転車旅を行なうメリット
ママチャリで自転車旅を行なうのは、様々なメリットがありますね。
主なメリットを以下にまとめました。
- 車体が頑丈
- 取り扱っている自転車ショップが多い
- 価格が安い
それぞれについて説明します。
車体が頑丈
ママチャリの本来の使い方として、通勤・通学や買い物など日常の足として、毎日頻繁に使われることを想定しています。
そのため、非常に頑丈な造りとなっていますね。
ただし、安価なママチャリでは、例えフレームが頑丈であったとしても使っている部品が貧弱であるため、メンテナンスをしっかりと行っていないと故障しやすいです。
ママチャリで旅を続けるならば、部品の品質がよく、メンテナンスの頻度を少なくできる3万円以上の高価なママチャリを使った方が安心感があります。
取り扱っている自転車ショップが多い
スポーツ系自転車の専門店でもない限り、自転車ショップへ行くと必ずと言っていいほどママチャリを取り扱っています。
また、ホームセンターや家電店などで自転車を取り扱っていたりしますので、パンクや部品の修理が必要な時に立ち寄りしやすいですね。
日本全国には、数多くのママチャリを取り扱っているお店がありますので、後方支援が万全ならば安心して旅を続けていけます。
スポーツ系自転車の場合は、自転車ショップによっては取り扱っていなかったり、修理に必要な部品がお取り寄せになることもあるよ。
価格が安い
スポーツ系自転車と比べてみれば良くわかりますが、ママチャリは比較的安価で手に入ります。
ママチャリは、本体以外に前カゴやブレーキ、リフレクター、フェンダー(泥除け)、スタンドなどが初期装備されており、安い物で1万円代、それなりに性能の良い物でも3万円代で手に入れることができますよ。
スポーツ系自転車の場合は、安ければ3万円代でクロスバイクの本体を買えますが、普通に数百万以上するとんでもない価格の物があるのが当たり前の世界なので、価格面だけで考えるとママチャリは圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
スポーツ系自転車の場合は、ライトやリフレクター、スタンドなどは別売りとなるため、更に費用がかさむよ。
ママチャリで自転車旅を行なうデメリット
ママチャリは、本来長距離を走る乗り物ではないため、自転車旅に使うとなると、様々なデメリットが多いですよ。
主なデメリットを以下にまとめました。
- 低速走行しかできない
- ギアの切り替え段数が少ない
- 自分で修理が難しい
- 輪行が困難
- 荷物が多いと真っ直ぐ走れない
それぞれについて説明します。
低速走行しかできない
ママチャリは性能的にスピードを出せる乗り物ではないため、平坦路の巡航速度は12~18km/hぐらいです。
実際の道路には、アップダウンがあったり、信号待ちがあったりしますので、平均速度で考えれば5~10km/hぐらいになります。
そのため、旅を続けるには、よほど時間に余裕がない限り距離を稼げません。
旅の道中で観光地などへ立ち寄るならば、1日の移動距離は短めに設定するしかないですね。
ギアの切り替え段数が少ない
安価なママチャリは、そもそも変速機自体が付いていないです。
また、高価なママチャリでも3~7段ぐらいしかギアはありませんので、坂道での細かな微調整や発進時のペダルの漕ぎ出しに不満を感じます。
特に勾配のキツイ坂道を上る時は、ママチャリの重量も相まって、上るのがかなり大変です。そのため、ママチャリで走るコースの選択が非常に大事になってきます。
自分で修理が難しい
ママチャリはスポーツ系自転車と違って、自分で整備することを想定していません。
そのため、旅の道中でパンクやスポーク切断などのトラブルが発生することを想定し、立ち寄る町に自転車ショップがあるか予めチェックしておきましょう。
ママチャリは、スポーツ系自転車のようにホイールの脱着が難しいため、パンク修理に時間がかかるよ。
輪行が困難
自転車を電車などの公共交通機関へ乗せて移動するためには、輪行袋に入れる必要があります。
しかし、ママチャリは容易に分解できないため、輪行袋へ入れるのは非常に困難です。(ほぼ無理と思っても良いレベル)
スポーツ系自転車では、輪行することで旅の行動範囲を広げることができるため、日本全国に点在する駅や空港などから旅をスタートできますが、ママチャリの場合は自宅からスタートすることが多いですね。
しかし、クロネコヤマトでお馴染みのヤマト運輸や佐川急便などの配送業者を使えば、ママチャリの配送はできますので、必要に応じて利用してみましょう。
荷物が多いと真っ直ぐ走れない
先ほども説明しましたが、ママチャリ自体の重量は、約20kg前後ぐらい有ります。これに旅の荷物を載せることを考えると、ゲンナリしてきますね。
あまりにも荷物を載せすぎてバランスを崩してしまうと、荷物の重さでフラフラしてしまい、真っ直ぐ走らすことができなくなります。
例えバランスよく荷物を載せることができたとしても、荷物が重すぎて走りが鈍重ですよ。
ママチャリで旅を続ける場合は、特に荷物を少なくすることを意識しましょう。
まとめ
本記事では、ママチャリで自転車旅(ツーリング)が漫喫できるかポイントと、自転車旅でママチャリを使うメリット・デメリットについて説明しました。
最後にもう一度、説明した内容を以下にまとめます。
- 【ママチャリで自転車旅を漫喫するポイント】
- 旅の計画はより綿密に立てる(1日で走る距離は30~50kmで十分)
- 坂道は無理をしないで押して歩く
- 荷物は少なめで、できるだけ野宿はしない(荷物の重量は5kg以内が無難)
- 必要に応じて、ママチャリを改造すれば快適に旅ができるようになる
- 【ママチャリで自転車旅を行なうメリット】
- 車体が頑丈
- 取り扱っている自転車ショップが多い
- 価格が安い
- 【ママチャリで自転車旅を行なうデメリット】
- 低速走行しかできない
- ギアの切り替え段数が少ない
- 自分で修理が難しい
- 輪行が困難
- 荷物が多いと真っ直ぐ走れない
お気に入りのママチャリで自転車旅へ出かけ、旅の思い出を作りましょう。