ロードバイクのドロップハンドルで下ハンドル(通称:下ハン)を使っていますか。
初心者ほど前傾姿勢がキツイため、余り使っていない方が多いですね。
また、「ロードレースへ参加するようなガチ勢でなければ、下ハンは不要なのでは?」と疑問に感じている人も多いはず。
下ハンは決して一部のガチ勢が使う物ではなく、誰が使っても恩恵に預かれます。
初心者の内は、怖く感じるかも知れませんが、慣れてくれば「下ハン最高!」となるかも。
本記事では、ドロップハンドルの下ハンを握って走ることで、受ける恩恵について紹介します。
ドロップハンドルの下ハンを有効活用しよう
ドロップハンドルを使いこなすと、ロードバイクで長時間走っていても快適に走行ができますね。
ロードバイクの初心者は、初めて扱うドロップハンドルの形状に戸惑いますが、ブラケットや上ハンドル(通称:上ハン)を握って操作するのは、それほど長い時間を掛けなくても直ぐに慣れます。
しかし、下ハンだけは中々慣れないのが現実です。
近年、STIレバーやブレーキ自体の性能も向上し、ある程度の勾配ならば坂道を下るのにブラケットを握ったままでブレーキ操作を繰り返しても、握力の低下が軽減されてきました。
そのため「下ハンを握って走らなくても普通に走れるし、必要性を感じない」と思っている人も決して少なくないでしょう。
そんな人に対して、声を上げて「下ハンは絶対に必要。使いこなせば恩恵が大きいよ!!」と言いたいです。
下ハンを使いこなせば、長い下り道を始め、平坦路の高速移動など様々なシチュエーションに対応できたり、走りに安定感が出ます。
下ハンを有効活用して、より快適にロードバイクを操作しましょう。
下ハンを握るシチュエーションと恩恵(メリット)
下ハンドルを握って走るシチュエーションは、主に以下の2つになります。
- 急勾配な坂道や長い坂道を下る
- 平坦路を高速移動する
その他にもロードレースへ参加する人にとっては、ゴールスプリントで自分の最大限の力を引き出して走るのに適していますね。
また、人を選びますが、意外にも坂道を力強く上れます。
下ハンを使いこなせば、平坦路や下り坂、上り坂などあらゆるシチュエーションに対応できて、自分の限界の走りへ挑戦できますね。
そんなシチュエーションで下ハンを使うならば、以下のメリットを享受できます。
これらのメリットを知れば知るほど「下ハン便利かも」と思えますよ。
それぞれの恩恵について説明します。
【恩恵①】重心を下げれるため安定感が出る
ドロップハンドルでは、ブラケットを手で握るのが基本のポジションですね。
ブラケットを握っていれば、ブレーキやシフト操作も簡単にできますが、実際ブラケットをしっかり握っている人はいないでしょう。
ブラケットには手を添えている人が大半であり、それは正しい認識です。
そのため、突然の段差を乗り上げてしまった場合に、手がハンドルから外れやすい可能性があります。
下ハンを握れば、ブレーキやシフト操作もできるし、ブラケットと比べてハンドルをしっかり握っているため、突然の段差にも対応しやすいですね。
また、体が前傾姿勢になることで、重心も低くなり、前後の重量分配が均等に近づきます。
つまり、走り自体に安定感がでる訳です。
意外に思われている人がいるかも知れませんが、下ハンを使いこなせば安定感抜群の走りを手に入れられます。
【恩恵②】空気抵抗の軽減による高速走行ができる
ロードバイクは、ある意味風との戦いです。
下ハンドルを握れば、ブラケットを握ったポジョションよりも深い前傾姿勢になります。この姿勢こそが、風の抵抗を最も受けにくいポジョションですよ。
つまり、風の抵抗が一気に減る訳ですから、スピードがグングン上がり、高速移動が可能となります。
ただし、深い前傾姿勢では、肺を圧迫する姿勢になりますので、肺に入ってくる酸素の量が減る羽目に。
調子に乗って、下ハンドルを握った状態でペダルを力強く回し続けていると、すぐにヘトヘトになりますよ。
トレーニングを積んで心肺機能を鍛えている方ならともかく、そうでなければ10分も経たずして、酸素不足の状態に陥ります。
【恩恵③】ダウンヒルで大活躍、軽い力でブレーキレバーを操作できる
急勾配な坂道や長い坂道でのダウンヒルでは、下ハンは大活躍します。
テコの原理で人差し指と中指で軽くブレーキレバーを操作できるので、十分すぎる制動力を得られますね。
急勾配な坂道や長い下り道をブラケットを握って、ブレーキを操作しながら下ることも可能ですが、下ハンと比べて使うエネルギーが全く違いますよ。
特に怖いのが、下り坂でブラケットを握った状態で何度もブレーキレバーを操作していると、手が疲れてしまい握力が弱くなっていくことです。
すると、いざ急にブレーキをかけようとしても力が出せなくて、ブレーキレバーを強く引くことができず、スピードの減速ができません。
そのため、コーナーを曲がれなかったり、停車ができなかったりして重大事故に発展するケースが高まります。
下ハンドルを握ることで、上体は最も低くなり、重心が下がります。
そのため、下り坂でのコーナーリングが安定して行えますね。
ハンドル操作が下手な人のコーナーリングは、ロードバイクを上手に倒せず反対車線へ膨らみます。
もし、反対車線から車が走っていれば正面衝突するかも知れません。(非常に危険です!)
もちろん、コーナーを曲がる時は十分なスピードの減速が基本ですが、下ハンならば減速も簡単ですし、重心が下がっているためコーナーリングも安定して行えます。
尚、下ハンを握ることで、空気抵抗が軽減されるため、よりスピードに乗りやすくなりますので、ブレーキ操作は更に重要です。
余り考えたくはありませんが、落車したことを想定すると、理論上高い位置から転ぶのと低い位置から転ぶには、怪我の程度が変わる可能性があります。
一般的に高い位置から転ぶ方が、ダメージが大きいですね。
スピードの出し過ぎには注意が必要ですが、恐怖心が少ない人にとっては、下りでロードバイクをコントロールするのは、ブラケットより下ハンの方がはるかに安全です。
路上にちっとした凸凹があったとしても安心して走れます。
初心者ほど下ハンを握るのが怖い
ロードバイクの初心者が、下ハンを握って走行しない理由は明確です。
ずばり上体が前のめりになり過ぎて、前傾姿勢を維持するのに慣れないからですね。
また、前傾姿勢には「視界が狭くなり危ない」「体が疲れる」「ロードレースへ参加して上位を目指すつもりはない(凄く頑張らない)」などネガティブなイメージを持っていたりしています。
確かに私も初心者時代には、そのようなイメージがあり、下ハンをしばらくの間全く使っていない時期がありました。
しかし、いざ使い続けてみると、もう下ハンを使わないなんて考えられないです。(笑)
いつまでも下ハンを使わなければ、慣れることは永久にありません。
怖いと感じるならば、安全な緩やかな上り坂で練習してみましょう。
そうすることで、スピードはそんなに出ないし、頭を下げる怖さも和らぎますね。
まずは「慣れること」が大事です。
ドロップハンドルは、様々なシチュエーションを想定して、ロードバイクの乗り手が快適に長時間走行ができるよう開発されています。
下ハンの適したシチュエーションで使い続けていれば、その恩恵に感謝する日がきっとやってくるでしょう。
【自転車旅へ出かけよう】
ドロップハンドルを使いこなせて長距離を走れる体力ができてきたら、自転車旅へ出かけてみませんか。自転車旅を通じて様々な体験を行なえば、人生経験が豊かになっているでしょう。下記記事では、自転車旅についてお伝えします。
下ハンを握る頻度が減っている?
私は今でも急勾配な坂道や長い坂道が続く場合は、下ハンを活用していますが、一昔前と比べて下ハンを使わなくても安心して下れるケースが増えていると考えています。
特にシマノのコンポが11速に切り替わった辺りから、ブラケットからブレーキレバーが引きやすくなると同時にブレーキ性能も格段に良くなってきたと感じました。
また、近年ではディスクブレーキの普及でブレーキの制動力は更なる向上を見せています。
技術の進歩により、より楽により確実なスピードコントロールができるようになってきてるからと言って、下ハンがオワコンになることはないでしょう。
やはり、下ハンを握って走る空気抵抗の軽減は魅力的です。
進化することはあっても、退化することはありえないでしょう。
実は登坂でも下ハンの恩恵あり
登坂では、上ハンドル(通称:上ハン)を握って、体に向かって引き付けて走ることで加速ができますが、下ハンでも同じような効果が得られることをご存じですか。
下ハンを握って走ると言うことは、自分のパワーを最大限に活かす走りができますので、そのパワーを使って坂道を上る訳です。
この方法は、万人にお勧めできる訳ではありませんが、合う人には物凄くマッチしますね。
下ハンを握って、下半身だけでなく、腕や胸筋、腹筋など上半身の力を使うことで、激坂をスラスラ上れたりします。
その代わり、エネルギーの消費は激しいため、疲れ方が尋常ではありません。
しかし、トレーニング次第ではエネルギー消費の軽減を図れるでしょう。
今まで上り切ることができなかった激坂があれば、是非一度下ハンを握ってチャレンジしてみては如何でしょうか。
ドロップハンドルの下ハンを使いこなそう
ドロップハンドルの下ハンを使いこなせば、様々なメリットを享受できます。
特に急勾配な坂道や長い坂道では、下ハンを活用することで、安定した走りが可能です。
まだ下ハンを使い慣れていないのならば、是非練習して使いこなせるようになりましょう。
きっと、使い続けている内に「下ハン最高!!」と思えるようになってきます。