ロングライドや自転車旅を楽しむサイクリストは多いですね。まだ体力が付いていない初心者では、40km以上も走ると疲労困憊になることも多いでしょう。
ずっと走り続けている内に、体力がついてきたり、自分の体にあったポジション出しがしっくりくるので、段々疲れづらくなるものです。
しかし、たとえ体力があったとしても走り方次第では、無駄な体力を使うことになり、疲労が蓄積するばかりですよ。
本記事では、自転車で疲れない走り方やライド中に疲労を蓄積させない方法を説明します。
自転車で疲れない走り方のポイントとは
自転車で50km以上走れるようになる頃には、それなりに体力がついてきており、長距離を走る際のコツも掴んでいる方が多いです。
ロングライドを完走するには、体力以外に初心者もベテランも関係なく、走り方にポイントがありますね。それを怠っていると、疲れが蓄積されていき、フォームやペダリングが乱れてしまう。
そうなると、腕や肩、腰などに余計な負荷がかかることで、様々な筋肉が疲労します。最終的には腰や膝、お尻などに痛みが発症してしまい、痛みがひどくなると、とても走っていられません。
ロングライドや自転車旅では、そもそも走れない状態になるまで、頑張るのは非常に危険。なので、走り方のポイントを覚え実践し、疲れない走り方をマスターしましょう。
そこで、自転車で疲れない走り方のポイントを以下にまとめました。
- ペース配分をしっかり守る
- 路面の勾配に合わせてギアを調整する
- 登りはのんびり、平坦と下りでペダルを回す
- 定期的に休憩する
それぞれについて説明します。
【ポイント①】ペース配分をしっかり守る
長距離を走る基本は、ペース配分を守ることです。これは、どんなに脚力に優れた方でも同じであり、ダラダラ走ったり、全力疾走を繰り返していると、体にかかる負担はけっこう大きいですね。
特に初心者にありがちなのが、スタート時はまだ元気なので、快調にスピードを出して走ること。その結果、ロングライドの後半でスタミナ切れを起こしてしまいます。なので、常に息が乱れないペースを維持しましょう。
オーバーペースにならないためには、サイクルコンピュータを活用し、一定のケイデンスを意識したペダリングが重要となる。
一般的には、平地で1分間に「ペダルを90回まわす「90rpm」がベストだといわれていますが、初心者が90rpmを維持し続けるのは厳しいですね。なので、70~90rpmを目標に定めるのが現実的です。
また、感覚的にいえば「常に会話や鼻歌が歌える」ぐらいの余裕があれば、平地でも登坂でも息が上がるスピードが出ていません。だからといってダラダラ走らないように。
常にペース配分に気を配りながら、絶対に無理をしないのが長距離を走るときのコツです。
【ポイント②】路面の勾配に合わせてギアを調整する
先ほどペース配分を守ることを説明しましたが、ペース配分が乱れやすい原因が「勾配」です。
勾配が大きな道になるほど、体にかかる負担が大きくなる。そのため、勾配に適したギアチェンジが重要になります。
登坂でギアを変えるタイミングが遅れると、その分重いギアでペダルを回すことになる。それが何度も積み重なってくると、体力の消耗が大きいですよ。
それを防ぐためには、道の勾配を先読みすることが大切です。勾配に入る少し前から徐々に軽いギアに落としていくのがポイントですね。それなりのスピードを出していれば、勾配に差し掛かったら軽いギアでペダルを回すと、スムーズに上れてしまう。そうすれば、足の消耗をかなり抑えて走れます。
また、信号などで停止する際には、停止前にギアを軽くするクセを付けましょう。これは、走り出しで不要なエネルギーの消費を避けるポイントです。
これらのポイントは、最初の内は、意識しながら繰り返して体に覚えさせる必要がありますが、慣れてくれば自然にできるようになれます。
勾配に対して、適切なギアを使うことは、体力消耗を防ぐのに大きな役割を果たすので、ギアチェンジのタイミングを見極められるようになりましょう。
【ポイント③】登りはのんびり、平坦と下りでペダルを回す
ロングライドや自転車旅では、基本的に坂道を一生懸命に上るのはやめた方がよいです。
特に急勾配な坂道では、体力の消耗が激しくなるだけですよ。のぼりに力を使いすぎていると、最後まで体力が持たないか、ペースの維持が困難になります。
なので、コース全体を通して考えた場合に、坂道はのんびり緩く走り、平坦と下りにペダルを回し、時間を短縮するのがベターですね。ぺース配分の分担をそのようにした方が、結果的に楽に長く走れます。
個人的には、急勾配の坂道を登った後の下りでは、特にペダルを回さず慣性で下りながら、体を休めていますが、平坦でスピードを上げる機会が多いです。
ロングライド中でもヒルクライムを楽しみにしている方も少なくないでしょう。そういう場合は、ヒルクライム後にしっかり休憩を取り、必要に応じて食事(補給食も含む)を取りながら体力とエネルギーの回復に努めると、ペースの維持を図れます。
【ポイント④】定期的に休憩する
長距離走行に慣れ体力がついてくると、体脂肪で走る能力が上がり、エネルギー補給が少なくても走れるようになります。そのため、普通に2時間でも3時間でもぶっ通しで走行できますね。
けれど「走れる」のと「ペースを維持して走る」のでは、まったく意味が違ってくる。そのため、ペースを維持して走るためにも、定期的に休憩を取りましょう。
休憩を入れるタイミングは、気温などの影響や体力の総量により、人それぞれなので一概にはいえませんが、以下の時間を目安に休憩を入れてみて下さい。
- 春・秋:1時間~1時間30分間隔で、10~15分休憩をとる
- 夏・冬:30分~1時間間隔で、10~15分休憩をとる
ちなみに私の場合は、春・秋は1時間30分、夏は30分、冬は1時間間隔で休憩を入れることが多いですね。
特に夏場の炎天下のライドでは、熱中症の危険性が常に付きまとうので、こまめな水分補給が重要となる。また、冬場では、強風や寒さにより思った以上に体力が奪われてしまいます。
さらに走り続けていると、エネルギーが消耗するばかりなので、休憩を取る際には、補給を取ってエネルギーを回復させるのも大事です。エネルギーが切れてしまえば、ハンガーノックが起こり、身動きが取れなくなるのは怖いですね。
なので、まだ走れるからといって、走り続けるのではなく、定期的に休憩を取り体力とエネルギーの回復に務めましょう。
【自転車のアイテム紹介(その1)】
自転車に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
ライド中に疲労を蓄積させない方法
ここまで自転車で疲れない走り方のポイントを説明しましたが、自転車で走る以上、疲労は蓄積されてしまいます。
そこで、ライド中にできるだけ疲労が蓄積させないようにする工夫が大事になる。以下にその工夫をまとめました。
- 休憩中にストレッチを行う
- 気温による体温調節を行う
それぞれについて説明します。
休憩中にストレッチを行う
休憩中では、ダラダラ休みたくなるものですが、ストレッチを行って蓄積された疲労を軽減させよう。ストレッチはお手軽にできるので、ぜひ取り入れて欲しいですね。
片手をグルグル回したり、大きく伸ばした手の開閉を繰り返したりすれば、凝りは和らぎます。さらにお尻を浮かせた状態で、前に突き出し上半身を反らしたり、足首や首をグルグル回したりするのも効果的。
ちょっとした時間で簡単にできて、気分もリラックスします。
【自転車のアイテム紹介(その2)】
自転車に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
気温による体温調節を行う
自転車に限った話ではありませんが、外で活動すると気温の影響は強く受けます。
特に長時間運動するならば、暑さや寒さによるダメージはかなり大きい。たとえ我慢できるからといって、放置していると時間が経つにつれて、パフォーマンスが信じられないくらい低下する。こうなってくると、ペース配分とかいってられなくなり、下手をすると走れなくなることも多いです。
気温による体温調節は非常に重要なため、私は常にウインドブレーカーを常備しています。春や秋では、早朝や夕方に肌寒く感じる日も多く、ウインドブレーカーを1枚羽織るだけでも全然違いますよ。また、長い急坂を下る際にも、体を冷やさないようにするのに役立ちますね。
ライド後は体のケアをしっかりしよう
長距離を走った後は、体のケアをしっかり取らなければ、翌日になっても疲労が取れていない場合があります。
そんなことにならないためにも、以下のような対応を実践してください。
- 湯船に浸かる
- 入浴後、ストレッチや全身をセルフマッサージする
- しっかり夕食をとって、夜更かしせず就寝
特に年齢を重ねてくると、中々疲労が取れにくくなるので、ライド後の体のケアは大事になります。
まとめ
本記事では、自転車で疲れない走り方やライド中に疲労を蓄積させない方法を説明しました。
最後にもう一度、自転車で疲れない走り方のポイントを、以下にまとめます。
- ペース配分をしっかり守る
- 路面の勾配に合わせてギアを調整する
- 登りはのんびり、平坦と下りでペダルを回す
- 定期的に休憩する
これらのポイントを実践で十分活かせるようになれば、今までと比べて楽に走れている自分に気づき驚くでしょう。
そうなれば、今まで以上にロングライドや自転車旅などを満喫できます。