自転車はタイヤサイズにより、走りの軽さや乗り心地に影響を受けている事をご存じでしょうか。
ロードバイクでは、主に23Cや25Cのタイヤを使うのが一般的ですが、中には28Cを使う人もいますね。
また、クロスバイクでは、32Cや35Cなど大きなタイヤ幅を使用できる車種も存在します。
タイヤサイズの特徴を知れば、あなたの用途や走る地域の環境によって、使うべきベストのタイヤサイズが分かりますよ。
本記事では、タイヤのサイズ違いによる影響(効果)と特徴について説明します。
タイヤサイズの影響とは
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車に乗って30km/h以上の高速で、平坦路を駆け抜ける爽快感は、シティーサイクル(ママチャリ)には無い楽しさです。
初めてロードバイクやクロスバイクに乗った時、余りの走りの軽さに驚いた経験をした人も多いでしょう。
また、「本当にこんな細いタイヤで乗れるの?」と疑問に思った人も多いはず。
ご安心下さい。そんな心配は乗り慣れてくると、何とも思わなくなります。
タイヤで注目したいのは、タイヤサイズ(幅)ですね。
タイヤの幅は太ければ太いほどグリップ力が高くなるため、バランスが取りやすく、走りの安定性につながります。
また、タイヤの空気量も多く、タイヤが地面からのショックを吸収するため乗り心地が良くなりますね。しかし、エネルギーロスが大きくなりますよ。
反対にタイヤの幅を細くするとどうなるでしょうか。
タイヤが細くなればなるほど、地面との接地面積が小さくなることで摩擦が少なくなります。
つまり、路面抵抗が少ないためスピードが出しやすいのです。
そのため、ロードバイクやクロスバイクでは、幅の細くタイヤが選ばれることが多いですね。
タイヤサイズの影響をまとめると以下のようになります。
これらは、どのような種類のタイヤにも言えるので、覚えておいて損はありません。
タイヤを選ぶ際は、あなたが使う用途や走る環境で選べば満足度が高くなるでしょう。
タイヤサイズによる特徴(23C~35C)
先ほどタイヤサイズの影響について説明しましたが、ロードバイクやクロスバイクでは、主に23Cから35Cが選ばれています。
厳密に言えば、ロードバイクは、23Cから28Cまででしょうか。
以下にそれぞれのタイヤサイズの特徴を簡単にまとめました。
タイヤサイズ | 特徴 |
---|---|
23C | スピードは抜群であり、特に加速性能は素晴らしいがパンクに注意が必要。 |
25C | スピードは抜群であり、乗り心地は23Cより向上している。23Cより空気量が多いため相対的にパンクに強い。 |
28C | スピードが重視されており、乗り心地も良いため、ロングライドやブルべに適している。 |
32C | スピードと安定性が両立されているため、通勤・通学や荷物の重い自転車旅に向いている。 |
35C | 安定性が重視されており、オフロード向け。 |
タイヤサイズが細いほど、スピード以外にも重量が軽くなるメリットがありますが、細いタイヤは空気圧を高めにしておかないと、段差などの衝撃でパンクすることがあるため注意が必要です。
それぞれのタイヤサイズについて、詳しく説明します。
【23C】スピードや加速性能重視のタイヤサイズ
一昔前までは、ロードバイクのタイヤと言えば23Cが主流でした。
抜群のスピードと加速力で、風のように舗装路を駆け抜けます。
空気圧を高くするため、非常に硬いタイヤはまるで地面を滑るように進み、ペダルの漕ぎ出しもスムーズです。
しかし、空気圧が高すぎるため、地面の凸凹を拾いやすく、それが振動となって体に伝わるので吸収振動性は低いです。
タイヤが細いと言う事は、それだけ重量が軽くなるため、ヒルクライムなどに力を発揮します。
23Cは、スピードと加速感、重量の軽さなどを追及したレース向きのタイヤと言えるでしょう。
23Cのタイヤは、段差などにタイヤが取られやすいため、ロードバイクの運転に慣れていないとハンドリングに気を使います。
また、空気量が少ないためか、比較的パンクが起きやすいですね。
【25C】ロードバイクの主流のタイヤサイズ
25Cは、今のロードバイク界で主流になっているサイズです。
23Cと比べてタイヤの空気量は多くなるため、振動吸収性が高まり乗り心地は向上します。
また、地面との接地面が横に広がるため、より安定したコーナーリングが行えるため安心がありますね。
更に、23Cと比較しても遜色ないほどの路面抵抗の低さにより、スピードも申し分ありません。
25Cは、長距離を快適に走るのに適しており、ロングライドやブルべなどに向いています。
昔の25Cのタイヤは、23Cより重量があるため、ペダルの漕ぎ出しの軽さがやや重く感じていました。
しかし、近年25Cのタイヤは軽量化が進み、ペダルの漕ぎ出しの重さは余り気にしなくても良くなっています。
ちなみに私が自転車旅をしている時のタイヤ幅は、25Cがメインだよ。ただし荷物は軽量だね。近年では、キャンプ道具など荷物をしっかりと積む場合に32Cのタイヤを履いた自転車を使用するね。
【自転車旅に関する話】
私は25Cのタイヤを愛用していますが、自転車旅でも快適に走れていますね。下記記事では、自転車旅に関する話を紹介します。
【28C】乗り心地がよくスピードも速いタイヤサイズ
25Cと比べて空気量が多く入ることで、柔らかな乗り心地となり、安定性が向上します。
また、スピードもそれなりに速く、ロングライドやブルべに適していますね。
近年では、快適性を求めたロードバイクとして、28Cのタイヤ履いたエンデュランスロードが誕生し人気を博しているとか。
タイヤの幅が25Cと比べて3mmも広くなる事で、グリップ力も更に向上しますので、スリップなどの転倒リスクも軽減されますよ。
残念ながら、ロードバイク特有の軽やかな走りは、少しばかり失われてしまいますが、スピードをそれほど重視しない場合は、グリップ力と乗り心地の良い28Cを選択するのも有りです。
フレームの対応サイズによっては、タイヤが太くなるとフロントフォークやリムブレーキとの間に隙間がなくなるため、28Cのタイヤは装着できない可能性があります。
けれど、リム幅が17mmならば28Cの装着も問題ありません。リム幅が15mmの場合は、理論上28Cのタイヤを装着できるみたいだけど、転がり抵抗が良さそうに思えないですね。
【28C~32C】乗り心地重視のタイヤサイズ
28C~32Cのタイヤは、適正空気圧が低いため、乗り心地が良く、地面との接地面が広くなるためグリップ力が向上します。
しかし、タイヤの重量は少し重くなり、地面との抵抗を感じやすいでしょう。
特に街中を走る場合は、多少の段差があったとしてもタイヤが太くなることで空気量が多くなるため、地面からのショックを良く吸収して、ハンドルが取られることが少なくなります。
毎日の通勤・通学を快適に過ごすためには、乗り心地重視のタイヤが良いよ。更に耐パンク性能や耐摩耗性を高めたタイヤであれば言うことなしだね。
【ポタリングのすすめ】
タイヤサイズを28C~32Cにして、のんびりゆったりと自転車の散歩をしてみませんか。下記記事では、自転車の散歩(ポタリング)についてお話します。
【35C】オフロード向きのタイヤサイズ
近年ロードバイクから派生した形で、オフロードも楽しめるグラベルロードが流行っていますね。
舗装路だけでなく、未舗装路も走れるため人気が高いです。
タイヤが太くなることで、適正空気量は低くなりますが、空気量はとても多く、自然に抜ける空気の減少量が少ないです。
そのため、タイヤに空気を入れるのは1ヶ月~2ヶ月に1回ぐらいで済むため手間がかかりません。
また、乗り心地は劇的に良くなり、パンクリスクはとても低くなります。
しかし、地面との接地面がとても広くなるため、巡航速度が遅くなり、加速性能も期待できません。
35C以上は、スピードを重視する人にはお勧めできないね。
まとめ
これまで話した内容をまとめると、タイヤサイズにより、以下のような用途が向いています。
タイヤサイズ | 用途 |
---|---|
23C | レース用に向いている。 |
25C | ロングライドやブルべに向いている。 |
28C | ロングライドやブルべに適している。 |
32C | 通勤・通学や荷物が重い自転車旅に向いている。 |
35C | オフロード向け。 |
必ずしも上表の用途で使用する必要はありません。
あくまで向いているという話です。(例えば、25Cでもレースで活躍できます。)
タイヤの幅は、細くなれば重量も軽くなり、路面との接地面が少なくなるため、自転車のスピードを出しやすいですが、乗り心地は悪くなっていきます。
反対にタイヤの幅が太くなると、乗り心地は良くなりますが、スピードが出し抜くくなっていきますね。
タイヤサイズにより、その特徴がはっきりと分かれていますので、自分が使う用途や走る環境で決めていきましょう。