タイヤの空気圧を適切な値に保つのは、基本的なメンテナンスの一つです。
めんどくさいからと言ってタイヤに空気を入れるのは、数ヵ月に1回しかしない人もいるのではないでしょうか。
ママチャリだけに乗る人には、その傾向が多いような気がしますね。
タイヤの空気圧は自転車の走りに関わる最重要事項であり、走りを重視するロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車では、決して無視できません。
適切な空気圧を満たしていない自転車に乗り続けていると、パンクなどのトラブルに合ったり、乗り心地が悪化したりする。そうなってから対処しても遅いですよ。
本記事では、適切な空気圧の目安や調整についてくわしく説明します。
適切な空気圧の目安
適切な空気圧は、タイヤにより異なります。
各メーカーから販売されているタイヤには、適切な空気圧の範囲が決まっており、その範囲内で自分がしっくりとくる空気圧に調整して使用するのがベストです。
タイヤの表面には、適正な空気圧が表示されているので、その範囲内で調整しましょう。尚、タイヤによっては、最大空気圧しか表示されていない場合がありますね。
例えば、このタイヤの場合は表面に「MAX 980KPa(9.8Bar 140P.S.I)」と表記しています。
このことから、このタイヤの最大空気圧が980KPa(キロパスカル)であることが一目瞭然です。
適切な空気圧の範囲が分からない場合は、自転車ショップやタイヤメーカーのホームページで確認しましょう。
自分がしっくりとくる空気圧は、体重によっても影響を受けます。また、自転車に重い荷物を載せると影響が大きい。それに走る道路の状態や天候にも影響を受けるのです。
そうなると空気圧の適切な量は、いくらにすれば良いのか悩みますね。
先ほど触れましたが、基本的には、タイヤに表示されている範囲内で自分の走りがしっくりとくる空気圧で調整しておけば問題はありません。そうすれば、タイヤ本来の性能が発揮されます。
最大空気圧しか表示されていない場合は、最低空気圧は上限の7割ぐらいで見ておくと良いでしょう。例えば、最大空気圧が9.8barの場合は、最低空気圧は6.9barとなり、空気圧の範囲は6.9~9.8barの間で調整するとよいですね。
タイヤの太さが細くなるほど、適正な空気圧は高くなっていきますが、ロードバイクやクロスバイクでは、私の経験上以下の範囲で調整するのがベターです。
タイヤの太さ | 空気圧の調整範囲 |
---|---|
700×23C | 7~9bar |
700×25C | 6~8bar |
700×28C | 4~7bar |
適切な空気圧に調整することで、「乗り心地が良い」、「走りが軽い」、「パンクの回数が減った」などのうれしい効果を感じ取ることができます。
空気圧の単位
自転車のタイヤには、様々な種類がありますが、ほとんどがタイヤの中(又はチューブ)には空気が入っています。
このタイヤの中に入っている空気の量を表した数値が空気圧ですね。
空気圧は一般的に以下5つの単位で表現しています。
- bar(バール)
- kpa(キロパスカル)
- psi(ピーエスアイ、プサイなど)
- kgf/c㎡(キログラム毎平方センチメートル)
- 気圧 ※厳密には自転車で使用する単位ではないが使っている人もいる
これらの単位は、メーカーやタイヤによってバラバラ又は混在して使用されている。
「bar」はヨーロッパで使用され、「psi」はアメリカで使用されている。日本で良く使われいる単位は「bar」と「kpa」ですね。
う~む、紛らわしいので個人的には単位は統一して欲しいかも。
様々な単位が使われているので、空気圧計を見る時は、単位に注意して下さい。
フロアポンプ(空気入れ)に付いている空気圧計には、一般的に複数の単位に対応してる物がほとんどです。
また、単位の換算は容易にできるため難しく考える必要はありません。
単位の換算は以下で行います。
- 1bar = 100kpa (例:6barは600kpaになります)
- 1bar = 14.5psi (例:1barは14.5psi、厳密に言うと14.5037738psiになります)
- 1bar ≒ 1kgf/c㎡ ≒ 1気圧 (例:7barは7kgf/c㎡、7気圧となりほぼ同等です)
空気圧の調整
空気圧の調整は、適正な空気圧の範囲内で行います。
空気圧を低くしたり高くしたりすれば、乗り心地と走りの軽さが変わっていき、その効果は顕著に感じられる。
人によって丁度良い空気圧は異なるので、体重や自転車の重量、荷物の重力を加味した総重量を考慮して空気圧を調整しましょう。
尚、空気圧は総重量により比例するので、総重量が重い場合は空気圧は高めに、軽い場合は低めに調整すれば、自転車の走りも乗り心地も丁度良い空気圧がみつかります。
乗り心地を重視する場合は、空気圧を低くする
乗り心地を重視して自転車に乗りたい場合は、適切な範囲内で空気圧を低く調整しよう。
タイヤに入っている空気量が多いほど乗り心地は良くなるため、太いタイヤを使用して空気圧を低めにするとより効果的です。
低めの空気圧には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 振動吸収性が高くなり乗り心地が良くなる。
- タイヤが変形しやすいのでグリップ力が向上する。(転びにくくなる)
- 下り坂やカーブを曲がる時に走りが安定する。
- 転がり抵抗が高くなるので、走りが重い。(ペダリングが重い)
- パンクの原因になり易い。
走りの軽さを重視する場合は、空気圧を高くする
自転車の走りを軽くしたい場合は、適切な範囲内で空気圧を高く調整して下さいね。
タイヤを細くすることで、転がり抵抗が低くなりますので、細いタイヤで高い空気圧を入れるとより効果的です。
高めの空気圧には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 転がり抵抗が低くなるため、走りが軽い。(ペダリングが軽い)
- 加速性能が良くなる。
- 振動吸収性が低くなり乗り心地が悪くなる。(お尻にダメージを受けやすい)
- タイヤが変形しにくいため、グリップ力が低下する。(転び易くなる)
- 路面が荒れていると自転車が跳ねてしまい走りづらい。
空気圧のチェック
自転車へ乗る前には、タイヤの空気圧を常に確認しましょう。
空気圧の確認をしないで自転車に乗り続けていると、パンクすることが多いですね。
私はロードバイクで自転車旅へ出かけることが多く、旅の出発時には必ず空気圧の確認を行なっている。
毎日旅の出発前にはタイヤを指で押さえて、空気が抜けていないか感覚的な確認を行っており、5日毎に空気を入れ直しています。
700×25Cのクリンチャータイヤとブチルチューブを使っていますね。ブチルチューブは、1週間ほどで1Bar程度の空気が抜けるため、3~4日の自転車旅ではそもそも毎日空気を入れ直す必要がないのでありがたい。
なので、自転車で旅する期間が長い方は、ブチルチューブが一番使いやすいですね。
まとめ
タイヤにより適切な空気圧の範囲は異なります。
自分が使っている自転車で、適切な空気圧がわからない場合は、タイヤの表面を確認して調べてみましょう。
そして、自分にとって丁度良い空気圧に調整して乗ってみて下さい。
今まで「走りが重い」、「乗り心地が悪い」と感じていれば効果てきめんです。
特に1泊以上の自転車旅を続ける時は、旅先で自転車に乗る前に必ず指でタイヤを押して、感覚的でも良いので空気圧の確認を忘れてはいけません。(自転車旅の初心者は忘れがちですね)
定期的に空気圧を確認する習慣を身につけて、タイヤの空気圧は自分にとってベストな状態を保ちましょう。