自転車のブレーキが効かなくて困った経験がありませんか。
全くブレーキが効かない自転車へ乗る人は皆無だと思いますが、多少ブレーキが効かないぐらいでは、そのまま自転車へ乗り続ける人は決して少なくないでしょう。
もし、そのような状態の自転車へ乗り続けているのであれば、今すぐやめて下さい。
ブレーキが効かなく感じるのは、危険な状態であり、そのまま何もせず自転車へ乗り続けていると重大事故に発展する可能性があります。
ブレーキは、自転車のスピードをコントロールするための部品なので、多少でも効かなくなるのは一大事ですよ。
本記事では、自転車のブレーキが効かなくなる原因や対応方法について説明します。
自転車のブレーキの効きが悪くなる原因とは
自転車のブレーキは、命に関わる最重要部品であるため、定期的なメンテナンスは欠かせません。
自転車は公道を走る乗り物なので、ブレーキの異常を感じ取り、性能が十分に発揮されないようならば、乗るのは控えるべきです。
また、自分自身で対処できない場合は、自転車ショップへ依頼して下さい。
ブレーキに異常がある自転車に乗り続けていると、重大事故に発展する可能性が高く、自分だけでなく、周りの人へ迷惑をかけてしまいますね。
なので、自転車に乗る前には、常にブレーキの点検を行いましょう。
その際、「ブレーキが効きが悪い」「ブレーキレバーの引きおもい」といったような症状があれば、何かしらの異常が発生しています。
そこで、ブレーキの効きが悪い主な原因を以下にまとめました。
- ブレーキが片効きである
- リムやブレーキシューが汚れている
- ブレーキシューが摩耗している
- ブレーキの可動部分のオイル切れ
- ブレーキワイヤーが伸びている
それぞれについて説明します。
【自転車の寿命の話】
メンテナンスはブレーキだけでなく、自転車全体のメンテナンスも定期的に行いましょう。メンテナンス次第では、自転車の寿命が延びますね。下記記事では、自転車の寿命に関する話を紹介します。
【原因①】ブレーキが片効きである
本来、左右のブレーキシューとリムの隙間は均等なのですが、何かの原因で隙間が不均等になる事があります。
そこで、ブレーキをかけた時に、片方のブレーキシューだけがリムに当たっていないか確認しましょう。
もし片方しか当たっていない場合は、ブレーキ本体を両手で掴み、力を入れて左右の隙間が均等になるよう動かして調整します。
力を入れてもブレーキ本体が動かない場合は、フォークやフレームにブレーキを取り付けているネジを少し緩めた後で動かして下さい。
ブレーキを動かした後は、緩めたネジの増し締めを忘れずに。
【原因②】リムやブレーキシューが汚れている
公道を走っていると、細かいゴミやホコリ、金属片、油分などがリムやブレーキシューへ付着したりします。
それが原因でブレーキの効きを悪くしている可能性があります。
自転車は、ブレーキシューをリムに押し当てて発生した摩擦により制動力を生み出します。
従ってゴミなどが付着していると、発生する摩擦が弱くなり制動力が落ちてしまうのです。
そのため、以下の方法でリムやブレーキシューに付着しているゴミなどを拭き取り掃除します。
- ウェスで綺麗に汚れを拭き取る
- ラバー砥石で磨く
リムを掃除する時は、ウェスに中性洗剤やパーツクリーナーを塗り付け、拭き取りましょう。
綺麗に拭き取った後は、最後は洗い流すの忘れてはいけません。
金属片などが付着している状態で使い続けていると、リムが凸凹になるため、バリを綺麗に除去して下さい。
多くのパーツクリーナーは、ゴムや塗装を痛めてしまうため、タイヤやフレームには付着しないよう注意が必要だね。
ラバー砥石を使用してリムを磨くと効果的です。(削りすぎに注意)
ラバー砥石でリムを磨いた後で、ブレーキをかけてもシュルシュルと異音がして、ブレーキの効きが悪い場合は、ブレーキシューに金属片などが付着している可能性があります。
ブレーキシューの表面から金属片を取り除いて綺麗にしましょう。
また、必要に応じてサンドペーパーやヤスリなどでブレーキシューの表面を磨いてザラザラにすると効果があります。
【ホイールに関する話】
ロードバイクのホイールでリムの材質はカーボンかアルミですね。それぞれ特徴がありますので下記記事で紹介します。
【原因③】ブレーキシューが摩耗している
ブレーキシューは消耗品です。
ブレーキを使い続けていると少しずつ摩耗により、すり減ってきます。
すると、ブレーキシューとリムの隙間が徐々に広くなり、ブレーキの効きが悪くなるのです。
そんな場合は、アジャスターを回してブレーキシューとリムの隙間を調整して下さい。
アジャスターを反時計回りに回すと、ワイヤーが締まり、ブレーキシューはリムへ近づきます。
アジャスターを反時計回りに回し過ぎると、アジャスターが外れる危険性があるため注意しましょう。
尚、一般的にブレーキシューにはたいてい溝が掘られており、その溝の深さが残り1mmになったときが交換の目安です。時々ブレーキシューの減り具合を確認してください。
【原因④】ブレーキの可動部分のオイル切れ
ブレーキーレバーを引いた時に「重たいなぁ」と感じる場合は、オイル切れにより摩擦が大きくなっている可能性があります。
ブレーキレバーやブレーキの可動部分(支点)にオイルを数滴差し込んだ下さい。
その際、自転車用のオイルを使いましょう。間違っても油膜を作るグリスは使わないように。
ロードバイクで使用しているダブルピボットのキャリパーブレーキは、可動部となる支点が2箇所あるので、そこへ注油します。(ママチャリのキャリパーブレーキは、シングルピボットのため、可動部の支点は1つです)
尚、可動部がよく分からない場合は、ブレーキレバーを引いて確かめて下さいね。
ブレーキの下には、ゴム製品であるブレーキシューやタイヤがあるため、オイルが付着しないよう気を付けて注油しましょう。
ブレーキレバーを握りながら、ブレーキの効き具合を確かめて注油を行い、1度で効果が感じられないようでしたら数回注油を行います。
また、アウターワイヤーの中へ注油する事で症状が改善されたりしますよ。
【原因⑤】ブレーキワイヤーが伸びている
ブレーキレバーを普段以上に引かなければブレーキが効きずらい場合は、ワイヤーが伸びている可能性があります。
ワイヤーが少し伸びた程度であれば、アジャスターを回して対処できるので簡単です。
そうでない場合は、ブレーキのワイヤーを調整して対処しましょう。
ワイヤーの調整方法については、下記記事で紹介します。
ブレーキが全く効かない場合の対応
ブレーキレバーを引いても、全くブレーキがかからない場合や何も反応しない場合は、ワイヤーが切断されている可能性が高いです。
そのような自転車に乗り続けるのは大変危険ですので、早急に自転車ショップへ持ち込み修理を依頼して下さい。
ブレーキが全く効かない自転車に乗るのは、ほとんど自殺行為です。自分だけでなく、周りの人にも迷惑をかけます。
ハイスピードで運転するならば、性能のよいブレーキを使う
ロードバイクは、簡単に30km/h以上の速度を出せるため、始めから使用しているブレーキは性能が高い物が多いです。
しかし、速度を出すことを想定していない自転車(シティーサイクル、安いクロスバイクなど)の場合は、始めから性能の低いブレーキを装着している事が多いですね。
10km/h前後の低速度で走るのならば、性能の低いブレーキでもスピードのコントロールは十分できるため、特に問題はないでしょう。
速度を上げて走った時に、ブレーキの効きが悪くなるのは、そもそも使っているブレーキの性能以上の速度で走っているためなので、ブレーキのグレードを上げて性能アップを図るしかありません。
個人的には、安い自転車で使用しているブレーキは、コスト削減のため性能の低い物を使っているのではないかと思っています。
【ブレーキに関する話】
ブレーキは自転車の種類によって異なり、性能によりグレードが違っていますね。下記記事では、ブレーキについて色々お伝えします。
まとめ
本記事では、自転車のブレーキが効かない原因と対応方法について説明しました。
最期に今一度、本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- ブレーキが片効きになっている場合は、ブレーキシューとリムの隙間が均等になるよう調整する
- ブレーキシューやリムの表面が汚れている場合は、ウェスで綺麗に汚れを拭き取る(またはラバー砥石で磨く)
- ブレーキシューが摩耗してブレーキシューとリムの間に隙間が広くなっている場合は、アジャスターを回して隙間を調整する
- ブレーキーレバーを引いた時に「重い」と感じた場合は、ブレーキレバーやブレーキの可動部分(支点)にオイルを数滴差し込む
- ブレーキのワイヤーが伸びている場合は、ワイヤーの長さを調整する
- ワイヤーが切断されている場合は、自転車ショップへ修理を依頼する
ブレーキの性能が十分に発揮できるよう、定期的にメンテナンスを行い、安全運転を心掛けましょう。
【サイクリングへ出かけよう】
定期的にしっかりとブレーキを整備して、サイクリングへ出かけてみませんか。下記記事では、サイクリングのスポットを紹介します。