自転車に乗る際、ヘルメットの着用義務はありません。
そのため、着用しない人もいるでしょう。
しかし、いざと言う時に命を守ってくれるのはヘルメットですね。
ヘルメットを選ぶ基準は、軽さやデザイン性など人それぞれですが、根本的な要素として安全性を考えるのが1番なのではないでしょうか。
そのためには、安全規格の承認のあるヘルメットを選びましょう。
自転車用ヘルメットの安全規格には、SGマークやJCF公認マークなどがあります。
本記事では、自転車用ヘルメットの安全規格であるSGマークとJCF公認・奨励マーク制度を中心に解説し、ヘルメットを選ぶ時の手助けになってもらえば幸いです。
ヘルメットは安全規格の承認がある物を選ぼう
町中を走っている自転車を見かけると、ヘルメットを着用していない人を良く見かけます。
これが今の辺り前であり、そもそもヘルメットの着用義務はありません。
しかし、中にはしっかりヘルメットを着用している人がいるのも事実。
例え着用していたとしても、安全規格について気にしていない人も多いのではないでしょうか。
自転車用のヘルメットに限った話ではありませんが、ヘルメットには様々な安全規格があります。
ヘルメットを購入する際、気を付けて欲しいのが安全規格の有無です。
極端に価格が違っていないのであれば、承認されていない物より、承認された物の方が安全面だけでなく、心理的にも良いですね。
以下に主な自転車用ヘルメットの安全規格をまとめました。
お使いのヘルメットにこれらのマーク(シール)があれば、安全規格をクリアしています。
また、新しくヘルメットを購入する時は、これらのマークがあるのか確かめてみましょう。
尚、ロードバイクへ乗るならば、JCF公認マークがあるヘルメットがお勧め。
JCF公認マークのないヘルメットでは、レースに出場できません。
今はレースに出場する気持ちがなかったとしても、将来レースに出てみようかと思う時がくるかも。
その時になって、ヘルメットの安全規格が対応していなければ、対応済みのヘルメットを新しく購入する羽目に陥りますね。
おすすめのヘルメットについては、ここをクリックして開く記事で紹介します。
道路交通法の改訂により、2023年4月1日より、全ての自転車利用者のヘルメット着用を努力義務にすることが決まりました。
ヘルメットの役割とは
ヘルメットの根本的な役割は、何と言っても安全性ですね。
交通事故にあった際、最も死亡率の高い乗り手の頭部を守る重要な働きをしてくれます。
以下にヘルメットの主な役割をまとめました。
- 頭蓋骨と衝撃物の直接接触を回避
- 衝撃が加わると、緩衝材が変形することにより、頭蓋骨および脳へ与える衝撃力を弱める
- 衝撃力が集中しないよう、力を分散する
これらが十分に機能することが重要ですね。
その他にもデザインや重さ、通気性、空気抵抗など見るべきポイントがあります。
ヘルメットの役割を再認識して、あご紐の締め方もずれないよう気を付けて着用しましょう。
SGマーク制度について解説
SGマーク制度とは
SGマークの付いた商品は、一般財団法人製品安全協会が定める基準に適合した物です。
SGと言うのは「Safe Goods」の略。つまり、「安全な商品」と直訳できますね。この基準とは、一般消費者の生命や身体の安全を確保すること。
そのため、このマークが付いた商品で不良品があった場合、不用品が原因で怪我を負うと保証されます。だからと言って何が何でも保証はされないので注意するように。
例えば「自転車用ヘルメットを着用してオートバイに乗車し怪我をした」というのは、保証の対象外でしょう。
商品の想定使用範囲を越えて怪我をしたならば、当たり前ですが保証対象になるはずがありません。
つまり、損害保険のように保証してくれるものではないことを、十分に認識しておきましょう。
SGマークは見かける機会がそれなりに多いですね。
日本国内では、自転車用ヘルメットだけでなく、一般的な製品にも付けられるマークです。
そのため、日常生活において、最も身近な安全基準のマークと言えるのではないでしょうか。
SGマーク制度の保証期間
SGマーク制度には、保証期間があります。
つまり、SGマークの付いたヘルメットを購入しても、ずっと保証されることはありません。
これは別に不思議な話ではなく、どのような製品にもメーカーの保証期間があるからです。
保証の対応年数は、製品群により、SG安全基準で定められた対応年数が異なります。
ヘルメットの場合は、自転車用・オートバイ用に関わらず、購入してから3年間が保証期間ですよ。
経年劣化の可能性があるため、メーカーでは3年をめどにヘルメットの買い替えを推奨しています。
SGマークの保証期間は、SGマークのシールに小さく記載されているので確認してみると良いでしょう。
JIS規格との違い
SGマーク制度より、身近な規格にはJIS規格がありますね。
JISマークが付いた製品は、安全に特化した物ではなく、工業標準化の促進を目的とした国家規格です。
例えば、乾電池などメーカーによって形状が違っていたら不便極まりないですね。
単3、単4などの種類により、メーカーが違っていたとしても、同じ大きさの乾電池を作ろうと規格を統一しています。
製品にもよりますが、全く安全に配慮がされていない訳ではないですよ。
実際にJISマークのついた自転車用ヘルメットはありますね。
見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
残念ながら、SGマークのついたヘルメットと違って、事故が起きたとしても保証はありません。
そのため、安全性を考えるならば、SGマーク制度に軍配が上がるでしょう。
JCF公認・推奨マークについて解説
JCF公認とは
JCFとは、日本自転車競技連盟(Japan Cycling Federation)を表しており、日本における自転車競技界を統括している公益財団法人です。
様々なサイクルイベントの管理やロードレースの選手管理などを行っている。
JCFが公認したヘルメットであれば、ヘルメットにJCF公認シール(マーク)が貼られています。
このマークがあれば、JCFなどが主催するロードレースへ参加できますね。
反対に言えば、公認されていないヘルメットでは、ロードレースへの参加資格はありません。
尚、一般的なシティーサイクル(ママチャリ)などで使用するようなヘルメットと違って、ロードバイクへ乗らない方には馴染みが薄いでしょう。
【サイクルイベントに関する話】
ロードバイクの購入後、日々のサイクリングだけでなく、様々なサイクルイベントへ参加したくなりますね。下記記事では、サイクルイベントに関する話を紹介します。
JCF公認ヘルメットとJCF奨励ヘルメット
JCF公認ヘルメットは、JCFが定める自転車競技連盟競技規則などに適合していて、ヘルメットの性能およびその試験基準に合格したヘルメットです。
販売元(正規輸入代理店)がJCFに申請し、様々な審査を通過しなければ認定されません。
特に厳格にテストされるのは、衝撃吸収試験とあご紐強度試験という。
尚、検査項目的には、SGとほとんど同じなので、SGマークなどがなくても安全基準をクリアしたヘルメットと言えますね。
先ほども少し触れましたが、日本自転車競技連盟および加盟団体の主催するレースでは、指定ヘルメットになっています。
JCF推奨ヘルメットは、JCFが定めるヘルメットの性能およびその試験基準に適合しているか、SGマーク又はCEマークの表示を持つものです。
公認ヘルメットと違って、日本自転車競技連盟および加盟団体の主催するレースには、参加できません。
主な役割は、自転車スポーツの安全な普及振興を図るためのものだと思います。
このマークのあるヘルメットは、「JCFのお墨付き」が得られたと思っているが丁度良いのではないでしょうか。
価格自体は、公認ヘルメットと比べて幾分安価になる傾向がありますね。
JCF公認とJCF奨励の違い
先ほども触れましたが簡単に言えば、ロードレースへ参加できるかできないかです。
レースへ参加する方にとっては、JCF公認ヘルメットは必須になりますが、全く参加しなければJCF公認かどうかなんて気にする必要はないですね。
尚、公認か奨励かで、検査項目に大きな違いはないですよ。
安全性だけで見れば、基本的に同等の安全基準をクリアしたものと考えて良いので、公認マークや奨励マークにこだわる必要はありません。
要するに公認ヘルメットは、推奨ヘルメットに比べて優れているというよりも、ロードレースに出るために必要と考えておきましょう。
【ロードバイクの楽しみ方】
ロードレースへ参加して、多くのライバルとしのぎを削るのは楽しいでしょう。ロードバイクには様々な楽しみ方がありますので、下記記事で紹介します。
JCF公認マーク付きは国内のみ販売
JCF公認マークが付いた自転車用ヘルメットを購入する際、気を付けておきたいのが、Wiggleなどの海外通販を使う場合です。
JCF公認マークは、あくまで日本の団体が決めた品質をクリアしているかなので、個人輸入したヘルメットには、JCF公認シールは貼付されていません。
そのため、後からシールだけをもらって、貼り付けるなんて出来ないですよ。
製造から3年以内というルールがある
JCF公認シールが貼られたヘルメットだからと言って、いつまでもレースで使える物ではありません。
使用期限は、3年以内と定められています。3年とは長いようでいて、実際は結構短い。
経年劣化により、ヘルメットの性能が落ちる可能性があるため仕方がないでしょう。
そのため、型落ちしたヘルメットを購入する時は気を付けましょう。
その他の安全規格
CE
CEマークは、全EU加盟国の基準を満たすものに付けられます。
製品をEU加盟国へ輸出する際に、使用者や消費者の健康と安全および共通利益の確保を守るなど様々な安全基準を満たしている必要がありますね。
自転車の本場であるヨーロッパの安全基準に満たすものであるため、日本国内でも十分に安全に配慮されていると考えられます。
CPSC
CPSCは、大統領直属の独立政府機関であるアメリカ合衆国消費者製品安全委員会が定める安全基準です。
SGマーク同様、アメリカで流通する様々な製品にCPSCマークが付けられています。
世界で流通しているヘルメットの中では、標準的な安全規格と考えられているという。
そのため、SGマークより安全基準が厳しいかも知れません。
まとめ
自転車用ヘルメットの安全規格について解説しました。
SGマークやJCF公認マークのように安全規格が承認されたヘルメットは、厳しい安全基準を満たした物ばかりです。
例え安全規格が承認されていないヘルメットであっても、十分使えると思いますが、どんなテストをしたのが分からない物を使うのは少し怖いかも。
ヘルメットは、自分の命を預けるアイテムなので、安全基準を満たした物を使うのが無難でしょう。
尚、おすすめのヘルメットについては、下記関連記事で紹介します。