ロードバイクの象徴的な部品と言えば、ドロップハンドルですね。
なぜロードバイクは、ドロップハンドルを使用しているのかご存じですか。
それ以前にドロップハンドルとは一体何物なのでしょうか。
初心者には一見敷居が高いように見えるドロップハンドルですが、実際はそんなことはありませんし、使いこなすと様々な恩恵を得られますね。
本記事では、ドロップハンドルがロードバイクで使われている理由と、ドロップハンドルのメリットとデメリットについて解説します。
ドロップハンドルのメリットとデメリットを理解しよう
シティーサイクル(ママチャリ)やクロスバイクなどしか乗ったことがない人にとって、ロードバイクのドロップハンドルは異質に感じます。
特に初めてロードバイクヘ挑戦する時は、ドロップハンドルの形状を使いこなせるのか不安になる人も多いでしょう。
しかし、ご安心して下さい。ドロップハンドルは決して目立つためだけにあのような形状をしているのではなく、乗り手に様々な恩恵を与えてくれます。
あの形状だからこそ、ロードバイクでは、長時間で長距離を走るのに適している訳です。
そこで、主なドロップハンドルのメリットを以下に挙げます。
ドロップハンドルのメリット
- シチュエーションに応じた握り方ができる
- 空気抵抗の小さいフォームが取れる
- 握り方次第で衝撃を緩和しやすい
しかし、残念ながらドロップハンドルはメリットだけでなく、デメリットもあります。
人によってはそのデメリットを受け入れられなくて使わない人もいるでしょう。
主なデメリットについて以下に述べます。
ドロップハンドルのデメリット
- 比較的ブレーキがかけにくい
- 前傾姿勢が辛い
- 視界が狭くなる
先ほど触れたメリットとこれらのデメリットについては、後でくわしく説明しますので、まずはドロップハンドルは必ずしも恩恵ばかりを受ける物ではないと覚えておいて下さい。
確かにデメリットはありますが、大切なのは使い方です。
ドロップハンドルの特性を良く理解した上で、正しく使えばその恩恵は計り知れません。
個人的には、ロードバイクのハンドルは、ドロップハンドルがベストだと考えていますね。
ドロップハンドルを使いこなし、ロードバイクを自由に操作できるようになりましょう。
ドロップハンドルとは一体何?
ドロップハンドルとは、下に大きく曲がった自転車のハンドルです。
ロードバイクのハンドルとして広く認知されていますね。
ロードバイクは、元々レース競技用に開発された自転車であり、1980年代まではロードレーサーの呼び方が一般的でした。
ドロップハンドルが登場したのは、1910年代からで、ロードレースに最も適した形状として開発された経緯があります。
このドロップハンドルを使用することで、空気抵抗の減少や握る個所を増やして疲労を軽減するなど、多くのメリットをもたらすようになりました。
一分一秒を争うロードレースでは、これらの恩恵は計り知れません。
このような背景があり、今に至るまでロードバイクではドロップハンドルが使い続けられています。
UCI(国際サイクリング連合)規定のレースは、ドロップハンドルの自転車でなければ出場できません。
なぜ、ロードバイクにドロップハンドルが使われているのか
ロードバイクにドロップハンドルが使われている理由は、先ほども触れましたが、空気抵抗の減少と疲労の軽減を行なうためです。
ドロップハンドルは、フラットハンドルと違い手が握れる箇所が多いですね。
そのため、より前かがみの状態でロードバイクヘ乗れるため、空気抵抗が軽減され、道の上を高速移動できます。
更に手で握るポジションを変えることで、使う筋肉が変わり、疲労が一箇所に蓄積されません。
短い時間でより遠くへ移動できるロードバイクにとって、ドロップハンドルとの相性は抜群です。
【ロードバイクの楽しみ方】
ロードバイクには様々な楽しみ方があり、その楽しみ方は多様性に富んでいますので、下記記事で紹介します。
ドロップハンドルの握る場所
ドロップハンドルの握る場所は、主に以下の4箇所です。
- 上ハンドル(上ハン)
- 下ハンドル(下ハン)
- ブラケット
- ショルダー
それぞれについて紹介します。
上ハンドル(上ハン)
上ハンドルとは、ドロップハンドルのフラット(直線)になっている部分を表します。
この部分を握ることで、上体が起き上がり楽に呼吸ができるポジションですね。
平坦路でリラックスしながら走ったり、上り坂でハンドルを引き付けて走ったりします。
ドロップハンドルの形状上、ブレーキレバーから遠いところを握るため、安全な場所のみで使わないと危険です。
上ハンドルには、補助ブレーキを取りけることが可能なため、必要に応じて取り付けると安全性が高まります。
下ハンドル(下ハン)
下ハンドルとは、ドロップハンドルの下に曲がっている部分のことです。
テコの原理により、最も少ない力でブレーキがかけやすい位置にあるため、急勾配な下り坂や長い下り坂で活躍するポジションですね。
また、最も上体を前かがみにできるポジションでもあるため、平坦路で空気抵抗を最大限に減少させて高速で走ることができます。
ブラケット
ブラケットとは、STIレバーの取り付け金具又はその位置を表します。
ロードバイクの走行中において、手で握る基本的なポジションです。
ブラケットの位置に手があるため、ブレーキや変速レバーに指が届きやすく操作がしやすいため、多くの場面で活躍します。
しかし、急な下り坂で何度も強めにブレーキをかけていると、手に負荷がかかりすぎ握力が弱まることで、咄嗟にブレーキを強くかけれなくなったりするため注意が必要です。
ショルダー
ショルダーとは、上ハンドルのブラケット近くの部分を表し、ブラケットの手前にあるドロップハンドルが曲がり始めた部分を握ります。
それにより、上ハンと比較してブレーキと変速の操作がしやすいですね。
前傾姿勢を取り続けることに疲れた場合、握ると良いでしょう。
ドロップハンドルのメリット
シチュエーションに応じた握り方ができる
ドロップハンドルは、先ほどお話した通り、上ハンや下ハン、ブラケット、ショルダーと言った様々な握り方ができるため、シチュエーションに合わせて手の握り方を変えることができます。
基本的にブラケットを握って走行し、リラックス時や上り坂では上ハン、急勾配な下り坂は下ハンを握るなど状況に合わせて走ると良いでしょう。
最初の内は、下ハンを握って走行することに慣れませんが、何度も走っていれば次第に慣れてきます。
急勾配な坂道を下る時に下ハンが使えないのは大変危険なため、トレーニングを行ない使えるにしておきましょう。
【運転技術に関する話】
ロードバイクで楽に上り坂を上ったり、安全に下り坂を走行するには、コツがありますので、下記記事でお伝えします。
空気抵抗の小さいフォームが取れる
ドロップハンドルを握ることで、おのずと上体が前傾姿勢になります。
前傾姿勢になればなるほど、空気抵抗の小さなフォームが取れて高速で走れます。
実際に自転車で走る時に人体が受ける風の抵抗は、約7割近くと言われていますので、風を受ける面積を小さくするメリットは大きいです。
しかし、長時間の前傾姿勢を保つためには、トレーニングが必要です。
握り方次第で衝撃を緩和しやすい
ドロップハンドルのブラケットを握ると、自然に手の平が内側へ向き、肘は上を向きますね。
そのため、自転車が走った時に発生する上下の振動に対し、フラットハンドルを握ることに比べて振動を吸収しやすくなります。
長時間走れば走るほど、その効果が表れてくるでしょう。
ドロップハンドルのデメリット
比較的ブレーキがかけにくい
ドロップハンドルは、フラットハンドルと比べて「ブレーキがかけにくい」と悩む人がそれなりにいます。
特に手のサイズが小さな人にとっては、大きな悩みになりますね。
対応方法は色々ありますが、ブラケットやハンドルの位置調整、女性用に販売している小さめのブラケットに交換することで対応できる場合があります。
ドロップハンドルにも様々な形状があるため、お使いの形状があなたに合っていないのかも知れません。
自転車ショップの店員へ相談し、必用に応じてドロップハンドルを交換することも視野に入れましょう。
前傾姿勢が辛い
今までママチャリしか乗ってこなかった人が、初めてロードバイクへ乗って走ると、前傾姿勢が辛く長時間走れないことは良くあることです。
前傾姿勢が辛いという人の多くは、ハンドルに腕で圧しかかっていたり、骨盤が斜めになった状態でサドルに座り続けていることが多いですね。
骨盤を立てて、体重はハンドルとペダル、サドルに分散させることで楽に走れます。
初めの内は、前傾姿勢を保つのが辛いですが、数日も走って入ればいつの間にか慣れているでしょう。
視界が狭くなる
個人的には、ドロップハンドルで常にブラケットや上ハンを握って走るならば、視界の確保は十分だと思っています。
しかし、下ハンを握った時は明らかに視野が狭くなりますね。
これは、空気抵抗を最も小さくして走るためのポジションであるため、仕方がないことです。
もともとロードバイクは自転車レース競技用に開発された物であり、安全な場所で走ることが前提なため、視界はある程度狭くても影響は少なかったのでしょう。
もし、現状のブラケットや上ハンを握った時の視界にご不満がある場合は、ハンドルの高さを調整することで、上体が常に起き上がり今より視界を広く取れるようになります。
ドロップハンドルを使いこなそう
長距離を長時間走るロードバイクでは、ドロップハンドルが非常に便利です。
シチュエーションに応じて様々な握り方ができるドロップハンドルの恩恵は大きく、このハンドルだからこそ、体にかかる負担を減らせます。
初めてロードバイクヘ乗って、ドロップハンドルを扱う場合は戸惑うこともあるかも知れませんが、しばらくすると慣れてきます。
ドロップハンドルのメリットとデメリットを十分に把握して使いこなし、快適にロードバイクを走らせましょう。