日本には四季がありますが、季節によってパンクリスクが高まることをご存じですか。
その季節とは、ずばり「夏」です。夏は最もパンクリスクが高まる季節ですね。夏場では、パンクが多くなるのは珍しくなく、それなりの頻度で発生しますよ。
私も昔、とある旅先のとあるお店で昼食を食べ終えた後で、自転車に乗ったらパンクしていた事が数回ありました。いずれも季節は「夏」であり、いきなりのパンクに天を仰ぎ見た記憶があります。
今では、良い教訓を与えてくれたと思っていますね。
夏場は、自転車を屋外へ駐輪しただけでもパンクしてしまう場合があるので、気を付けなければなりません。それでは、いったいなぜ夏場では、パンクリスクが高まるのでしょうか。
本記事では、夏場にパンクがしやすくなる原因と、その対応方法について説明します。
夏場で自転車がパンクしやすい原因とは
自転車がパンクしやすい原因といえば、ダントツに空気圧不足が多いですね。
自転車は、例え運転していなくてもタイヤの空気が、少しずつ抜けていきます。
特に夏場は、天候により気圧変化が激しくなるため、タイヤの空気が抜けやすくなる。空気圧が不足した状態で自転車に乗れば、パンクしてしまうもの。
自転車に乗る前は、空気圧のチェックを忘れずに行なえば、それだけでもパンクのリスクをかなり低減できます。
また、夏は四季の中で最も気温が高くなる季節ですね。気温が高くなり過ぎると、タイヤ内にあるチューブが耐えられなくなりパンクしてしまいます。
例えば、気温30℃を越えた日にアスファルトの上を自転車で走っていると、猛烈な暑さにクラクラした経験をした人も少なくないでしょう。そんな暑さを和らげてくれる便利な自転車グッズは、積極的に活用したいものです。
アスファルトで舗装された道は熱を持ちやすくなり、夏場では60℃を越える場合もありますよ。
そのような状態では、炎天下に長時間いるだけでもタイヤの劣化が激しくなり、そんな状態で走っていれば、おのずとパンクしてしまいます。
つまり、熱膨張がパンクの原因な訳ですね。いずれにしても、夏場では空気圧が変わりやすく、それが原因でパンクリスクが高まるのです。
そこで、空気圧が変わる原因を以下にまとめました。
- タイヤ内の空気の自然減少
- 気温や温度変化
- 大気圧の変化
それぞれについて説明します。
【原因①】タイヤ内の空気の自然減少
自転車で一般的によく使われるタイヤは、タイヤの中にチューブが入っているクリンチャータイヤです。このチューブの空気の減少は、絶対に止めることができません。
なぜなら、チューブの素材はゴムでできているため、ゴムを構成する分子より空気の分子の方が細かいためゴムを透過してしまうからです。
つまり、空気の減少は、自然現象なので残念ながら止める手段がない訳ですね。
そこで、自然に空気が抜けてしまう主な原因を以下にまとめました。
- バルブのゆるみ
- 虫ゴムの劣化
- スローパンク
それぞれについて説明します。尚、これらについては、いずれも対策可能なのでご安心下さい。
バルブのゆるみ
バルブとは、タイヤチューブに空気を入れる入口ですね。
バルブの先端にあるキャップを外すとナットが出てきますので、これがゆるんでいないか確認して下さい。このバルブの先端がゆるんでいると、空気が抜けます。
フロアポンプ(空気入れ)でタイヤチューブに空気を入れ終えた後は、バルブのナットの閉め忘れに注意しましょう。
虫ゴムの劣化
ママチャリのタイヤチューブは、主に英式バルブなので虫ゴムが使われています。
この虫ゴムが途中で切れていたり、穴が開いていたりすると、そこから空気が抜けますよ。なので、虫ゴムを交換すれば対応できますね。
虫ゴムの交換方法が分からない場合は、自転車ショップへ相談するか、YouTubeなどの動画で交換方法を調べてみれば分かります。
尚、ロードバイクやクロスバイクなどのタイヤチューブでは、主に仏式バルブであるため、虫ゴムは使われていません。
スローパンク
スローパンクとは、ゆっくり空気が抜けていくパンクのことです。
朝、タイヤに空気を入れて自転車でサイクリングに出かけた後で、夕方にタイヤを触ってみると「何だか空気圧が減っている」と感じた経験をした方も多いでしょう。
バブルのゆるみや虫ゴムも問題ないのに、空気が抜けている場合は、スローパンクの可能性があります。なので、本当にパンクしていないか調べて下さい。
簡単な調べ方として、タイヤに適切な空気を入れた後でしばらく放置します。(1日ぐらい)
空気圧の減り方がいつもより多いと感じたならば、スローパンクの可能性大ですよ。
具体的には、タイヤを手で押しあてて、感覚的に普段よりタイヤが凹んでいたらスローパンクを疑いましょう。
スローパンクは、パンク修理かチューブ交換で対応できます。
あまりお勧めしませんが、私は旅先でスローパンクに気が付いた時、パンク修理にかかる時間ロスを嫌い、空気を入れ直しただけで旅を継続したりしていました。必要に応じて、臨機応変な対応を取ればよいと思います。
【原因②】気温や温度変化
空気は、気温によって膨張する性質があります。空気圧は温度が上がれば高くなり、温度が下がれば低くなりますよ。
このことから、いつもタイヤチューブに入れる空気の量を同じにしていても、気温が変われば空気圧は変化してしまいます。
特に夏場では、気温の変化が激しいです。たとえば、朝の涼しい内にタイヤチューブに空気を入れた後で、サイクリングへ出かけると、直射日光や直射日光が原因でアスファルトに溜まった熱により、タイヤ内の空気圧が膨張してしまいます。
そうなると、チューブの破裂が起こりパンクするケースがありますね。
また、例え自転車に乗っていなくても、自転車自体を直射日光が降り注ぐ場所へおいて置くだけで、熱膨張が起こり、パンクしてしまうケースもあります。
これらのケースのように、熱膨張によるパンクを防止するためには、夏場はタイヤの空気圧を少し低めにする対策が有効です。
また、小まめに休憩を取りながらサイクリングを行い、日陰などで直射日光やアスファルトの照り返しが避けれる場所で、しばらく自転車を停めておくのも効果的ですよ。
【サイクリングスポットの紹介】
夏のサイクリングは熱中症に気を付けて行ないましょう。下記記事では、サイクリングに適したスポットを紹介します。
【原因③】大気圧の変化
空気圧は、高い所へいくほど強くなっていきます。つまり、高山へ自転車で上る場合は、大丈夫なのか心配になってきますね。結論からいえば、特に問題はないと考えています。
厳密にいえば、1,000m単位で標高が違ってくれば多少の影響はあると思われますが、今まで1,000m以上の山へは何度も上った経験があり、特に問題はありませんでした。
例えば、富士山の五合目までは自転車で上れます。この五合目の高さは2,400mですね。
また、自転車で到達できる国内最高地点の乗鞍岳は2,716mもありますよ。
普通に何度も乗鞍ヒルクライムレースが開催されていますので、特に意識する必要はないでしょう。
意識する必要な場面といえば、飛行機を使って輪行する場合ですね。それでは、実際にどんな時に飛行機輪行しますか。
沖縄や石垣島など本州から離れた離島や海外でサイクリングを楽しむために、飛行機輪行で移動するケースが多いです。
旅客機の高度は1万mに定められていますので、タイヤの空気は抜いておいた方がベターですね。
夏場で自転車のパンクリスクを低減する方法
先ほどまで、夏場で自転車のパンクリスクが高まる原因についてお話しました。
その話の中で、対応方法について説明してきましたが、一目で分かりやすく確認できるように以下にまとめます。
- 夏の季節はタイヤの空気圧を少し低めにする(極端に低くしない事)
- 小まめに休憩を取って、日陰など直射日光やアスファルトの照り返しがない場所で自転車をしばらく駐輪する
- 飛行機輪行する場合は、タイヤの空気圧を抜いておくのがベター
これらの対応方法は、それほど難しい内容ではないため、直ぐにでも実践できますね。
まとめ
本記事では、夏場に自転車のパンクリスクが増大する原因と対応方法について説明しました。
最後にもう一度、本記事で説明した内容を以下にまとめます。
- 夏場では空気圧が変わりやすく、それが原因でパンクリスクが高まる
- 空気圧が変わる主な原因は「タイヤ内の空気の自然減少」「気温や温度変化」「大気圧の変化」の3つ
- 夏場のサイクリングでは、タイヤの空気圧をいつもより少し低めにして出かけ、日陰など直射日光がない場所で駐輪する
夏の季節に自転車旅やサイクリングでパンクリスクを低減するためには、いろいろと気を付けなくてはいけないですね。
特に熱中症にならないよう、小まめに水分補給と休憩を忘れずに行ないましょう。