ロードバイクの楽しみ方の一つにロングライドがあります。
ママチャリでは、かなり困難であった100kmを越えるロングライドは、ロードバイクで経験を積めば、いずれ普通に出来るようになりますね。
そこで、必要な基礎知識を学び、実践して経験を積み、効率よくレベルアップを図ろう。
本記事では、ロングライドを漫喫するための基礎知識について説明します。
ロングライドに必要な知識を学び、効率よく実践しよう
ロードバイクを始めてしばらく経つと、大抵のサイクリストは「いつか100kmの長距離へチャレンジしてみたい」と思うようになるものです。
経験を積み中級者になる頃には、普通に100km走るなんて当たり前にできることだ。特に凄い人では200km、300kmと走れるので、初心者から見たら雲の上の存在ですね。
ロングライドを走り切るためには、個人差はある物のある程度の体力を必要とします。けれど、体力が有れば誰しもが走り切れると思いがちですが、実際はそうではなく、様々な知識が必要ですよ。
知っていると知らないでは全く結果が変わってきますので、ロングライドを漫喫するための基礎知識について学び、効率よく実践していこう。そうすれば、半年もたたない内に100km走れるようになるのも夢ではありません。
そこで、ロングライドを完走できるようになれる基礎知識を、以下にまとめました。
- まずは体力アップを図り、中距離を走れるようになる
- ロングライドの計画を立てる
- ロングライドはペース配分が重要
- 休憩や補給はしっかり取る
- リタイヤしてしまう理由を理解する
これらは全て重要なので、一つ一つくわしく説明します。
全くの初心者でも経験を積んでいけば、必ず100kmを走れるようになりますので、焦らずレベルアップを図りましょう。
まずは体力アップを図り、中距離を走れるようになる
初心者の内は、体力ができていないため、いきなり長距離を走るのは、おすすめしません。自分の実力にあった距離を走りましょう。
「体力アップのため、筋トレをしようか」「ジムに通って体力アップを図ろう」と考えている方もいるかもしれませんが、はっきり言って不要です。
なぜなら、ただ単純に自転車で走っているだけで、自然に体力は付いていきます。それに1日1時間程度、体を動かすことで体力作りはできるのです。
1時間の間、しっかりトレーニングしなくても、通勤・通学などで自宅から職場までウォーキングや自転車通勤でも体力は付いていくよ。
重要なのは、毎日体力作りを継続することだ。毎日継続していけば、短期間で体力は飛躍的に向上しますが、仕事などで休日しか時間が作れない人は、1週間に1日は自転車でサイクリングに出かけたい。
始めは、40~60kmぐらいを走れるよう目標を立て、自宅の近所を走ってみて下さい。
たとえ初心者でもロードバイクならば、20km程度をいきなり走れる人は多いです。1時間走ったら10~15分程度休憩し、また1時間後に休憩を取る。これを繰り返して行けば、いつの間にか40kmていどは走れるようになっています。
ポイントは徐々に走行距離を延ばしていくことですよ。40~60kmぐらいならば、ある程度体力がついてくれば、初心者でも難なく達成できるようなれる。余裕を持って60kmをクリアできるようになった後で、100kmのロングライドへチャレンジするのが無難です。
ロングライドの計画を立てる
ロングライドを完走するためには、事前計画が重要になってきます。特に以下5つのポイントについては、良く考えて決めよう。
- 目的地を決める
- 走行距離と時間配分を考える
- 勾配が大きいルートは避ける
- コースに市街地を組み込む
- 休憩場所を予め決めておく
これらのポイントがどれか一つでも欠けてしまうと、完走できない可能性が高いですね。それぞれについて、説明します。
目的地を決める
一般的に目的地は、観光地や公園、海、湖、峠道や山道の頂上などを設定しますが、自分が行きたい場所でOKです。
尚、絶対に目的地を決めなけらばならない訳ではありませんが、出来れば決めた方が良い。なぜなら、目的地を設定することで、モチベーションに大きな影響を与えます。
走行距離と時間配分を考える
先ほども触れましたが、ロードバイクを始めた初心者ならば、最初は40~60km程度のコースを走れるようになりましょう。
今の自分の平均速度から、出発時刻や帰宅時刻、休憩時間など全体の時間配分を決めるとよい。たとえば、以下に40kmコースを平均速度10km/hでサイクリングする計画を立ててみましたので、参考にしてみて下さい。
【事例】サイクリングの計画
- 午前10:00に出発し、約1時間単位に10分休憩を取る
- 午後12:00に昼食を食べながら1時間休憩を取る
- 午後13:00に再出発
- 午後14:00に観光地(目的地)に到着、1時間観光する
- 午後15:00に再出発
- 午後16:00に帰宅
このように計画を立てれば、頭の中を整理できるだけでなく、その日のスケジュールが非常にわかりやすくなりますし、必要に応じて計画の見直しも容易です。
尚、ロードバイクを始めたばかりならば、平均速度を10km/h程度で考えておくと、大きく計画が外れる可能性は低いですね。
勾配が大きいルートは避ける
コースを決める際、出来るだけ勾配が大きな坂道が長く続くルートは避けましょう。
坂道は平坦路と比べて体力の消耗が激しく辛いため、初心者は心が折れてしまう可能性があります。また、目的地までの距離にもよりますが、体力が持たなくて途中でリタイアしてしまうかも。
コース作りには、Google MapやGarmin Connect(ガーミンコネクト)などを利用すれば、無料で勾配の大きさを確認しながら作れますので、積極的に活用しましょう。
コースに市街地を組み込む
出来ればコースに市街地を通過するようにしておくと、いざという時に助かる機会が多いです。
たとえば、走行中にメカトラブルが発生したりして、手持ちの道具では対処できない場合、近くの市街地に自転車ショップがあれば対処してもらえますね。また、補給食の確保や休憩場所に不自由することは少ないでしょう。
なので、事前に市街地の位置やその町にどんなお店があるのか情報を集めておこう。
実際のサイクリングで市街地のお店を利用しなかったとしても、市街地が近くにあることで、精神的に安心できるよ。
休憩場所を予め決めておく
ロングライドの計画を立てる時には、休憩場所を決めておきたい。
初心者の内は、あまり行き当たりばったりだと、休憩したい時に休憩できる場所が見つけられず走り続ける羽目に陥ることもある。すると、意味もなく激しく体力を消耗するなんて普通にあり得ます。
そんなことにならないためにも、コンビニや道の駅などトイレが借りられる場所や休憩できる場所は、事前にある程度調べておこう。
特に山道や田舎を走る時は、公衆トイレや商店が少なかったりしますので注意して下さいね。
ロングライドはペース配分が大事、絶対に無理をしない
長距離を走るならば、ペース配分が大切です。
特に初心者は、スタート時に元気が有り余っているため、スピードを出し過ぎて快調に走り始めたりしますが、そんなことを続けていたら後半スタミナ切れを起こしてしまいます。また、坂道にも果敢に挑み、常に力いっぱい上っていると体力の消耗が激しいですね。
オーバーペースにならないためのポイントは、息が乱れないペースを維持し続けること。そのためには、ケイデンスを意識したペダリングが重要ですよ。
ケイデンスとは「自転車のペダルを回す速さ」を表し、1分間のペダルの回転数です。たとえば、1分間にペダルを90回まわしている場合は、90rpmと表します。
rpmは、ケイデンスを表す単位で「revolution per minute」の略だよ。
一般的に平坦な道を走行する時のケイデンスは、90rpm前後が理想といわれている。初心者が、いきなり90rpmを維持し続けるのはかなり厳しいため、70~90rpmを目標に定めると良いですね。
尚、ケイデンスを測定するためには、ケイデンスが測定可能なサイクルコンピュータが必要になります。長距離を走る場合は、常にペース配分に気を配り、絶対に無理をせず最期まで完走することを目指しましょう。
休憩や補給はしっかり取る
サイクリングの最中に全く休憩や補給を取らないのは、かなり危険。定期的に休憩を挟みながら走らないと、ロングライドでは最後まで体力が持ちません。
また、休憩すれば筋肉や心肺機能を休ませることができる。休憩中にストレッチをして、太腿の裏を伸ばしたり、背中や腰を伸ばすのも効果的です。
走っているばかりでは消耗するばかりなので、補給を取ってしっかりエネルギーを回復させましょう。
エネルギーが切れてしまうとハンガーノックが起こり、身動きが取れなくなる。もし周辺に誰もいない山中で、ハンガーノックに襲われると、救援を呼べずかなり危険な状態に陥ることも。なので、町中以外を走る際には、栄養価の高い補給食を携帯しよう。
ロードバイクに慣れてくると、体脂肪で走る能力が上がり、エネルギー補給が少なく済むようになりますが、水分補給だけはどんなに上達してもしっかり取らなければなりません。
喉が渇く前に、定期的に水分を取るように。特に夏場は熱中症になりやすいため、1時間の走行に対して、500mℓ~1ℓほどを目安に水分補給を行ない、5~10分間隔に小まめに補給すると効果的ですね。
ロングライドでリタイアしてしまう理由とは
ロングライドを最後まで完走できな理由が分かれば、対処のしようがあるもの。主なリタイヤする原因を以下にまとめました。
- スタミナ切れ
- ハンガーノック
- 機材トラブル
- 体の痛み
- 熱中症
それぞれについて説明します。
スタミナ切れ
ロングライドで最後まで完走できない最大原因は、スタミナ切れです。
スタミナ切れを起こすのは、そもそも自分の体力に全く見合わない長距離を走ること自体に問題がありますが、それ以上に問題になるのがペース配分ですね。
長距離を走るコツは、ペース配分が何よりも大切なので、定期的に休憩をはさみながら、常に同じペースで走りましょう。無駄な消耗を避けるのが何よりも効果が高いですね。
ハンガーノック
ハンガーノックは、エネルギー不足で起こり、血糖値が低下して運動が十分に行えなくなる状態です。代表的な症状として、脱力感や吐き気、頭痛、めまい、手足の震えなどがある。
また、全身に力が入らなくなり、自分の意思に反して動かすことができなくなります。一度ハンガーノックに掛かってしまうと、対処しない限り復活することはありません。
命の危険につながるため、空腹感を感じる前に休憩して補給したり、空腹感を感じてきたら補給食でエネルギーをチャージしましょう。
機材トラブル
サイクリング中で一番多いトラブルと言えばパンクですね。
パンクは走り方や使っているタイヤの性能次第で、発生する可能性を少なくできますが、ゼロにすることはできません。少なくとも遠出する場合は、自分でパンク修理ができるようになっておこう。
問題になるのは、手持ちの道具で対処できない機材トラブルですね。
もしトラブルが起こった場合は、運が悪かったと諦めなければならないケースがほとんどかな。ちなみに私が被った機材トラブルで印象に残っているのは、サイクリングで帰宅途中でいきなりクランクが折れてしまったことですね。
これは全く想定外のことで「こんな事もあるんだ」と非常にビックリし、どうすることもできませんでした。幸い自宅まで残り2km程度でしたので、自転車を押して歩いて帰ったのは今では良い思い出です。
体の痛み
長時間、長距離を走っていると、体に痛みが出てしまうことがあり、痛みが酷くなれば自転車に乗っていられません。体の痛みが多く発症するのは、腰や膝ですね。
いつまでも痛みがひどい状態だと、辛いだけで何も楽しくないので、素直にリタイヤしましょう。そもそも痛みが発生するのは、無理なペダリングやフォームで体に負担をかけているからです。今一度自分のライディングフォームやペダリングを見直そう。
また、普段はライディングフォームやペダリングに問題がないのだけど、長時間のライドで疲れてくると、自然におかしくなったりします。疲れたらしっかり休憩を取り、体力の回復に努めましょう。
熱中症
気温が高くなる夏場に起きやすいのが熱中症です。
自転車などで運動していると、熱中症は起こりやすくなりますので、夏場は小まめな水分補給は必須になります。熱中症対策については、下記関連記事を参考にして下さい。
まとめ
本記事では、ロングライドを漫喫するための基礎知識について説明しました。最後にもう一度、ロングライドを完走できるようになれる基礎知識を以下にまとめます。
- まずは体力アップを図り、中距離を走れるようになる
- ロングライドの計画を立てる
- ロングライドはペース配分が重要
- 休憩や補給はしっかり取る
- リタイヤしてしまう理由を理解する
ロングライドは、完走できた時の充実感や満足感は格別です。
最後まで走り切るためには、計画を立てるなど事前準備が必要であり、ただがむしゃらに走るだけでは長距離を走り抜くのは困難ですね。体力アップを始めペース配分や定期的な休憩・補給を行うことが大切ですよ。
そんな風に経験を積んで行けば、初心者でもいずれ100km以上のロングライドを走れるようになります。焦らず一つ一つやれる事から実践していこう。