自転車のハンドルには、様々な種類があります。
その中で、主にロードバイクで使われているドロップハンドルとクロスバイクなどに使われるフラットバーハンドルの使い勝手について興味がありませんか。
「フラットバーはブレーキが掛けやすいな」「ドロップハンドルは操作が難しそう」のようなイメージを持たれる人が多いと思いますが、この二つのハンドルを比較すると、用途の違いが良くわかりますね。
本記事では、ドロップハンドルとフラットバーの使い勝手を比較した結果についてお伝えします。
ドロップハンドルとフラットバーは用途により使い勝手が変わる
ドロップハンドルの名前すら知らない人でも「下側に曲がっているハンドルと言えば、ロードバイク」を思い浮かべるほど世の中へ認知されてきました。
このドロップハンドルとフラットバーでは、見た目からして全然違いますね。
フラットバーに関して言えば、クロスバイクや昔から日常の足として活躍してきたシティーサイクル(ママチャリ)のハンドルであるため、それほど違和感を覚える人はいませんが、知らない人からすればドロップハンドルは未知のハンドルです。
「ドロップハンドルとフラットバーでは一体何が違うの?」と疑問に思っている人も多いはず。
そこで、この二つのハンドルを使っているロードバイクとクロスバイクで比較してみました。
項目 | ドロップハンドル (ロードバイク) | フラットバー (クロスバイク) |
---|---|---|
乗車姿勢が楽 | △ | 〇 |
長距離走行の快適さ | ◎ | ▲ |
巡航速度の維持 | ◎ | △ |
発車時や低速走行のし易さ | △ | ◎ |
ブレーキコントロールのし易さ | △ | ◎ |
ストップアンドゴーのし易さ | △ | ◎ |
この比較結果の詳細については、後ほど説明します。
上記の比較表から、ドロップハンドルを使えば、巡行速度を維持したまま、長距離を走るのに向いているハンドルであることがわかりますね。
反対にフラットバーでは、余り向いていないことがわかります。
また、低速走行やブレーキコントロール、ストップアンドゴーのし易さからフラットバーは、街乗りなどに適していることが一目瞭然です。
これらのことから、それぞれのハンドルは用途によって使い分けることで、真価を発揮できることがわかって頂けたと思います。
自転車は様々な種類があり、その種類に応じて色々なハンドルがありますね。
ハンドルの形状により、受ける影響はかなり大きいため、自分が自転車に乗る目的や用途に合わせて自転車を選択しましょう。
ドロップハンドルとフラットバーの使い勝手の比較
乗車姿勢が楽
乗車姿勢は、ハンドルだけでなくフレーム形状にも関係する話なので、一概にハンドルのみで判断はできません。
ドロップハンドルを使用するロードバイクでは、前傾姿勢を取ることが前提となっています。
反対にフラットバーでは、余り前傾姿勢を取ることはありません。
ドロップハンドルを使ったことがない初心者からすれば、この前傾姿勢が怖く感じる人はそれなりに多いです。
前傾姿勢に慣れてしまえば、特に気にしなくなりますが、この姿勢を維持するための筋力が足りていない場合がありますので、必ずしも万人向けとは言い難いですね。
フラットバーでは、ドロップハンドルと違って、深い前傾姿勢が取れないため、安心感を覚えます。
そのため、自転車に乗った時の姿勢は、アップライトになるフラットバーの方が明らかに楽です。
長距離走行の快適さ
50km程度の中距離を走るならば、ドロップハンドルとフラットバーでは、快適さにそれほど大きな違いは感じません。
特に100km以上の長距離を走るのならば、明らかにドロップハンドルの方が疲労の軽減ができます。
その理由の一つが、ドロップハンドルは手で握れる場所が複数あるからです。
同じ姿勢で長時間走っていると疲れてきますので、頻繁に姿勢を変えられるドロップハンドルは、非常にありがたい存在ですね。
疲れが溜まるほど、ハンドルへ荷重が行きがちなため、手にかかる負荷は思いのほか大きいです。
手首の周りには、骨や神経、靭帯などがあり負荷がかかると見た目以上にしんどくなりますので、長距離をフラットバーを握り続けて走るのは、かなりの苦痛になってきます。
人によって体力が異なるため、一概には言えませんが50km以上走るのならば、ドロップハンドルにした方が快適な走行ができますね。
巡航速度の維持
巡航速度の維持については、圧倒的にドロップハンドルの方が有利です。
これは、前傾姿勢を取ることで空気抵抗を軽減できるからですね。
前傾姿勢が深くなるほど、空気抵抗は少なくなり、巡航速度が維持し易くなります。
また、空気抵抗が軽減できるため、スピードも出しやすいです。
フラットバーでは、逆立ちしてもドロップハンドルに太刀打ちできない領分ですので、スピードを出して颯爽と走りたいのならば、ドロップハンドル一択になります。
発車時や低速走行のし易さ
停車時から発車する時は、ドロップハンドルの場合、多少ふらつきやすく扱いにくいですね。
その反面、フラットバーではスムーズに発車できます。
また、低速で走る場合でもバランスが取り易いのがフラットバーのメリットです。
前傾姿勢が緩いため、楽な姿勢でのんびり走るのに向いていますね。
同じようなことをドロップハンドルの上ハンドル(通称:上ハン)を握って走れば、上体が起き上がり楽に走れますが、ブレーキの掛けやすさを考えると、フラットバーの方に軍配が上がります。
低速から中速にかけて街乗りを中心に走るのならば、フラットバーの方が扱いやすいです。
ブレーキコントロールのし易さ
ハンドルの形状上、常にブレーキレバーが引きやすい位置にハンドルを握っていられるフラットバーの方がブレーキコントロールはし易いです。
ドロップハンドルは、その形状上、様々な場所を手で握れるメリットがありますが、反面ブレーキレバーから遠くにある場所を握って走ることもできるため、ブレーキ操作がワンテンポ遅れてしまうことがあります。
また、ブラケットを握った状態でブレーキレバーを握るのは、それなりの握力が必要ですので、ブレーキレバーの引きやすさを考えると小さな力で引きやすいフラットバーの方がコントロールがし易いと言えるでしょう。
【ブレーキに関する話】
自転車には様々なブレーキがありますね。ブレーキの種類やブレーキが効かなくなった場合の対処方法などについて下記記事で紹介します。
ストップアンドゴーのし易さ
信号待ちが多い市街地では、ストップアンドゴーをする場面が多いですね。
そのような場面では、先ほども触れましたがフラットバーの方が適しています。
交通量の多い所や歩行者が多い所では、頻繁にブレーキを使いますので、ブレーキ操作がしやすいフラットバーに一日の長があることは明らかです。
ドロップハンドルでは、ブラケットを握った状態で、連続して頻繁にブレーキレバーを引いていると、握力の低下は免れません。(街中でそのような状況に陥るのは稀ですね。)
すると、咄嗟にブレーキレバーが引けれなくなったりしますので、気を付けましょう。
ドロップハンドルを活用すべきシチュエーション
長距離や長時間走ることが多い自転車旅やサイクリングなどでは、ドロップハンドルが活用できます。
長距離を走るとなると、必ずしも平坦路だけとは限りません。
その道中には、アップダウンがあったり、長い上り道や下り道が続くことも良くあることです。
ドロップハンドルは、様々なポジションを手で握れるため、シチュエーションに応じてライディングフォームを変えて走れます。
基本的には、ブレーキレバーやシフトレバーを操作しやすいブラケットを握りますが、リラックスしたい時やヒルクライムなどでは上ハンを握ったり、ダウンヒルや平坦路を高速走行する場合は、下ハンを握りますね。
また、ロードレースなどスピードを競う競技にも向いています。
世の中には、様々なサイクルイベントがありますが、その中でUCI(国際サイクリング連合)規定のレースでは、ドロップハンドルが必須です。
フラットバーにした方が良いシチュエーション
フラットバーは、乗車姿勢が余り前傾にならず楽であり、停車時からの発進や低速で走っている時の安定感が高いですね。
また、ブレーキレバーがとても引きやすくブレーキコントロールに優れています。
そのため、ストップアンドゴーが多い街中を走るのに向いていますので、市街地を走ることが多い、通勤・通学に適したハンドルと言えますね。
短中距離程度ならば自転車旅やサイクリングも楽しめますが、ドロップハンドルと比べて手で握れるポジションが限定されるため、長時間同じ姿勢で走るのは疲れます。
人によって持久力や体力が違うため、絶対に長距離は走れないとは言い切れませんが、ドロップハンドルと比べて不利な事は否めません。
ハンドルにより使い勝手が変わる
本記事では、ドロップハンドルとフラットバーについて比較してみました。
自転車で使われるハンドルには、今回比較したハンドル以外にもブルホーンハンドルやライザーバーなどがあります。
また、同じ種類のハンドルでも形状や素材が違ったりしていて、自転車のハンドルは奥が深いです。
本記事よりドロップハンドルとフラットバーの使い勝手が分かって頂けたでしょうか。
自転車の種類により、使用しているハンドルも様々で使い勝手が変わります。
自転車を走らす場合は、自分が使う目的や用途に合わせて選択すると良いでしょう。